第18話 スカウトアタック!

 モンスターをテイムする方法をスカウトアタックというらしい。

 スカウト? 勧誘すればいいのかな?

 こんなふうにね!


「子竜ちゃん、子竜ちゃん、私といっしょに旅に出ない?」


「……ぷいっ」


 失敗したわ。あれ~? やっぱり不審者にはついてきてくれないのかなあ?

 親御さんの教育が行き届いているのね。子どもはかわいいだけじゃないんだなあ。


「あほか……あゆみ、おまえ自分が同じ立場で大人に声をかけられたらどう思う?」


「んなもん警察に通報するに決まってんでしょーが。馬鹿じゃないの?」


 素面で答えてやると、トウヤは微妙な表情で「その通りだ」とうなずいた。


「モンスターとの主従関係は【契約】だ。利害が一致して初めて結ばれる」


「【契約】? 雇用契約でも交わせっての?」


「似たようなものだ。例えば食事を保証するかわりにボディーガードをしてもらうとかな」


 なるほど、対価が必要なわけか。

 私はともにダンジョンを攻略する仲間が欲しい。

 だから、それに見合う対価を支払わなければいけないわけね。


「一日3食昼寝付き! お風呂も入れちゃう! いかがですか! 子竜さん!」


 子竜のみなさんは「うーむ」と考え込んでいた。新米テイマーを品定めしているようだ。

 そこで一匹の赤いふかふかした毛並みの子竜が進み出る。


「よかろう。なんじの願い、聞き届けたり」


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