第17話 子竜の楽園

 そこには楽園があった。

 子犬みたいな子猫みたいな、ふかふかしたりトゲトゲしたりするドラゴンの子供たちが、ところせましと草原を駆けまわっていたのだ。

 草原! ダンジョンって、空もあるし、川もあるのよね。

 天井があるのかと思っていたら、ふつうに異空間で、ふつうに異世界だったわ。

 それはそれとして……


「もきゅっ?」


 あああああああああああ、かわええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!

 語彙力が崩壊するほどに可愛いいいいいいいいい!!!


 私はペットを飼ったことがないけれど、犬や猫を溺愛する人の気持ちがわかってしまう。

 子竜ちゃん可愛い~、可愛すぎて身もだえる~!


「もきゅっ、って、もきゅっ、って、ああ可愛すぎる!!!!」


「あゆみ殿は意外とミーハーですなあ……」


 なんかフェータンには呆れられたけど、知らんがな。

 だって癒しをくれるんだよ? 荒んだ心に癒しをくれるんだよ?

 生きててよかった!!!! いや、ほんとに、生きててよかった……

 涙目でうるうるしている私の感動をオーバーリアクションと受け取って、トウヤもアサカさんも呆れ気味に笑っている。


「おまえ、そんなに子竜が気に入ったなら、どいつか誘ってテイムしてみたらどうだ?」


「できるの!?!?!?」


 トウヤとアサカさんが「できる」とうなずく。

 専属モンスターのフェータンには悪いが、私はこの子竜ちゃんたちに心奪われた!

 よっしゃ~、モンスターテイマー夜川あゆみ! 可愛い子竜をスカウトします!


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