第7話 ちょっと悲しい、でも
楽しい昼休みとは変わって、放課後は少し悲しい話があった。
「なにがレベル500だよ、絶対ウソだろ」
「せいぜい50が関の山さ、あんなふざけた女の自己申告なんてあてになるもんか」
通りすがりに男子生徒が私の……フェータンの悪口を言っている。
私としてもフェータンの発言には半信半疑だし、彼らの気持ちはわからなくもない。
それに世の中の誰しもがやさしく気前が良いわけではないから、こんな反応もあって当たり前だと思う。
だけど……やっぱり悲しいな。自分じゃなくて、友達が悪く言われるのは本当に悲しい。
私がうつむきその場を通り過ぎようとした矢先に、男子生徒たちが笑い声を大きくした。
「貴様ら、なにを笑っている」
その時に、地獄の底から響くような冷たい声が、場を貫いた。
「転校生をあざわらって、自分の小さな自尊心を満たして、なにが楽しい?」
「ひ、
「めんどくせえのが来たな……おい、行こうぜ」
私を笑っていた男子生徒たちが舌打ちして去っていった。
日渡と呼ばれた生徒。見れば、彼は今朝、私がぶつかった人だった。
彼は尊大なやりかたで、「ふんっ」と鼻を鳴らして、男子生徒から視線を外す。
「奴らは学校の落ちこぼれだ。あんな連中は関わるにも値しない……おまえも気にするな」
「あ、ありがとう」
「ところで、転校生……おまえ、部活動は決まっているか?」
部活動? 私が首をかしげると、彼は「ついてこい」と相変わらず尊大に微笑んだ。
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