第6話 私氏、モンスターテイマー

 クラスでの自己紹介を終えて、授業を受けて、昼休みがやってきた。

 みなさんとの距離感を探りながら、フェータンといっしょにお弁当を食べる。


「え? フェータンさんってあゆみさんの専属モンスターなの?」


「うそ!? 人間に変身できるモンスターなんて初めて見た!?」


 私よりも、なんだかフェータンの方が人気者だ。むぅ悔しい。

 照れ照れしているフェータンは「お褒めいただきうれしいですぞ」と笑っている。

 彼女? の友達であり主人である私もなんとなく鼻が高い。


「フェータンさんって、なんのモンスターなの?」


「んー、デカい鳥かな? そういえば、フェータンってなんのモンスターだっけ?」


 私も気になる。フェータンに話題を振ると、彼女はうーん、と考える。


「種族で言えば、アークアドミラルバードですな。レベル帯は……500くらいですかな。恥ずかしいので、あまり詮索しないでほしいですぞ」


「「「「「ええっ!?!?!?!?!?」」」」」


 ほー、500ってよくわからんけど高いのかな? とか私が感想を思っていると、周りの生徒たちが悲鳴のような声をあげた。


「レベル500!? 近隣の高難易度ダンジョンの最高レベル帯が200だぞ!?」


「あ、アークアドミラルバードって、神話級のレジェンドランクモンスターじゃないの?」


「いぇい、いぇい☆彡 そんなわたくしめも、今ではあゆみ殿のお友達ですな」


 クラスメイトの注目が一斉に私の方に向いた。とてつもなく気まずい。

 知らぬが仏、っていうかにわか素人は私ばかりで、場を笑ってごまかすしかない。

 初日の昼休みは、フェータンのおかげで大盛況だった。

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