第3話 鍵

──朝、目が覚めたら。過去に戻れたらなと思う。

どんなに辛いことがあっても朝はやってくる。

たとえ親友が亡くなっても。


今日は学校が休みだ。時間がたっぷりある。

いつも休みの日は読書をしたりゴロゴロしたりと。だらけているが。そんな気力もない。


昨日翔の母が渡してくれた白紙の紙。

これにはどんな意味があるのだろうか。

───燃やしてみてはどうだろうか

ふと頭によぎった。よくドラマとかの謎解き

などで出てくるのが。何も書いていない紙を

燃やすと暗号や文字が出てくる。

そんなものは空想の世界だけだと我にかえった

それと翔は小説を書いていたこと。

翔とは長い時間共に過ごしてきたがそのような事は全く知らなかった。

彼の遺言書には。

「死にたくないから物語を書いていた」

誰かに脅されて書いていたのか。

彼の言葉を思い返す度に謎が深まるばかりだ。

もう一度白紙の紙を見てみる。

よく見てみるとくしゃくしゃになった紙は

折り紙を直した時の紙の跡に似ている。

均一に折れた線ができている。なにかの折り紙

だったのか。たまたまだろうか。

いくら時間が経とうと謎は全く解けない。

ひとまず彼の小説を探してみようと思う。

彼の書いた作品を読めばなにかわかるかもしれない。

───でもどうやって?

彼には彼女がいた。でも最近仲があまり良くなく彼女の愚痴をよく聞いていた。

彼女に話を聞こう。もしかしたら彼女は彼の秘密を知っているかもしれない。

そして僕はすぐに携帯に手を伸ばした。








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幼なじみ 狐につままれる @akaikitune0616

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