王子様キャラは実は貧乏は鉄板

友情という物は存在しない。


私はそう思っていた。


だって皆は親の権力を求めすり寄ってくる者ばかり


そんなものたちと友情を育めようか?

だから私は人を信用しなかった。

信用しても裏切られるだけ。

そう考えていた私は荒れていた。

そう


『考えていた』


彼と出会ったことで全てが変わった。

まさに彼は私の人生を変える風だった。


    『大いなる風 カルラ自伝より抜粋』



 俺は長い時間馬車に揺られユニストリア王国の学校へと向かっていた。

そう王国だ。


海も渡らずに王国についてしまうのだから、

どうやらやはりここは俺が思っていたむかしの地球ではないらしい。

普通驚くと思うがそれより俺は苛立ちが勝っていた。

たださえ長い移動なのに慣れない馬車移動それに、無理矢理送られた場所に向かっているのだイラつきもする。

そんなイライラを抑えながら待っているとやっと馬車が止まる。

やっと学園についたようだ。

学園はTHE洋風という建築で、大きな門が俺を歓迎している。

平穏な暮らしを求める俺には不相応だが案外なかは普通の学校かも知れないと思い足を運ぶ。

学費も勿体ないし。

俺を歓迎したのは桜の木ではなく不良達だった。

ホワッツ? 何故?

ここは不良漫画の世界なのか?



 天才が転校してくるらしい。

生徒達が噂していた。

何でも転校生は貧乏だったが知恵でこの学園にくるまで成り上がった奴だと。

私はその噂に苛ついた。

その時は何故か分からなかったが今なら分かる。

それは私が求めていた物だったからだ。

私は王子だ。

成り上がりとは無縁だ。

初めから最上位の人間だ。

だから親の七光りと言われたり、皆私の顔色をうかがってくる。

だから真逆の転校生を羨ましく思ったんだ。

そんな転校生を許せず俺は意地悪をしてやるつもりだった。

ここはお前みたいな田舎者が来る所じゃないと言ったその後、予想外の事が起きた。

見事な右ストレートが俺の顔にクリーンヒットした。

王子である俺の頬にだ。

初めての経験だった、誰かに殴られたのは。

だが今思えば当然かもしれない。

その時俺は王子と名乗っていなかった。

だから生意気な同級生だと思って殴ったのだと思った。

周りの奴らが私を王子だと分かって殴ったのかとか

色々言っていたがよく覚えていない。

その後の彼の言葉が予想外すぎたのだ。


「知らん。王子様だろうがなんだろうがイラついたら殴るだろ?」


 そういい放ち彼は歩いていった。

理解不能だった。

謝りもせず悪びれる様子もせず歩いて去っていった。

私は親兄妹以外で初めて俺を王子としてみない奴に出会った。

不思議な気分だった。

殴られたのにイラつきはしなかった。

それが私と公明の初めての出会いだった。


 悲報俺王子様キャラだと思って殴った奴がほんまもんの王子様だった。

      \(^o^)/ オワタ


だって来たくもなかった所に君が来る所じゃないとか言われたら普通苛つくじゃん。

それに本物の王子様とか知らんやん。

周りの取り巻き連中女の子ばかりだったし王子様キャラだと思うじゃん!!


俺がそれに気づいたのは随分後の事だった。

後何故か王子様は俺のストーカーになりました。

この王子ドMかよ。






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平穏に生きようとしてたらいつの間にか軍神と呼ばれてました 猫カイト @Neko822

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