主人公のあきらが、様々なおもちゃを有する「回転玩具館」を訪れ、AIロボットの案内で展示を巡るお話。基本的にあきらとAIロボット以外の登場人物はおらず、あきらも良い意味で淡泊に描写されるので、読み手はあきらの立場に立って、様々な展示やおもちゃの様子を楽しむことができます。読んでいると実際にお店を訪れているような気分になれて、博物館のような穏やかな雰囲気に、心が落ち着きました。その日どんな展示に出会い、何を学んで帰るのか、隙間時間でも読みやすいコンパクトな文章の中に、世界観がギュッと込められていて、ちょっとした時間に少しずつ楽しませていただきました。