第2羽

 ――――30分の遅刻。


 許されるだろうか。


 いや、何甘えたこと言ってるんだ。

 常識的に考えても、一発アウトだ。


「本当になんで寝坊なんかしたかな。学生以来だぞ、寝坊とか」



 大きな門。

 それが今、僕の心境的なものも相まって、どうしようもなく威圧的に見える。

 ひょっとして、このまま僕は潰される為だけに立っているんじゃないかと思うほどに。


 だが、しかし。


 勿論、門の前にずっと立っているのは罰でもなく戒めでもない。


 ただ守衛さんに確認を取ってもらっている訳で、

 

 

 「お待たせしました! 只今、確認が取れましたよ。どうぞ中へお入りください」 


 

 ―――もし遅刻に対しての処罰があるとすれば、この後。

 初日でクビということも覚悟して。 




 半ば、守衛さんに連れられながら門をくぐった。

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枷背の子(かせのね) 那須茄子 @gggggggggg900

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