第2話 母性

―――――――――深夜2時。


目が覚めると僕は咲の隣に居なかった。


(トイレ?…)


咲は部屋を出てリビングを見たがいなくて、ソファーにも居ない。トイレを見に行ったが居ない。

ベランダも見に行ったがベランダにも居ない。


(ったくあいつ…)


地下も見に行ったがから


(あぁ…外か。)


庭に出ると、音が聞こえる。誰かの話し声。


(誰か来てる?こんな時間に?)


近づくとビーチパラソルの横のテーブルから聞こえる。…目を凝らすと、酒瓶さかびんとスマホ。


(またこんなキツイの飲んでるし…。…?)


咲が眠たい目を擦ってスマホを見ると、隠し撮りした咲の動画だった。キッチンで料理してる姿、ご飯食べてる姿、寝てる姿、…。

色んな咲が延々と流れていた。


そして横を見ると、僕は完全に寝ていた。


「これ、今日あたし着てたやつ。…そっか…寂しかったか…。本当にお前は…。」



僕は咲がその日に着てた服を鼻に直接付けて抱きしめて寝ていた…。





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