第12話
同盟、ユニコーン王国はかなり譲歩した条件を出してくれた。
通常の同盟は同じくらいの力関係がなければ整理しずらい。
だが同盟の条件による、同盟と言いつつ実際は支配と同じ条件ではまずい。
「同盟の条件や決まりを教えてくれないかな?」
「そう、ですわね、出来ればこの村に30人を上限に住ませて欲しいですわ、その代わりに物資を供給いたします、逆に食料などの物資や屋根のある家を提供してくだされば助かりますが出来る範囲で構いませんわ」
「途中で条件を変えられる事はありますか?」
「無い、とは言い切れません、ですがこれだけは言わせてください。わたくしはあなたの兄のような酷い事をするつもりはありませんわ」
「……」
「……」
向こうが30人を上限にしたのは制圧される事を恐れた村の恐怖を取り除くための配慮だと感じる。
条件も悪くない、細かい条件はまだだけどむしろこちらにかなり有利だ。
「失礼したね、疑う態度を取って悪かった」
僕は頭を下げた。
「頭を下げるのはやめてほしいですわ、向こうの兵士が動いてしまいますもの」
「そっか、うん。条件を詰める為に村に案内しよう」
こうしてユニコーン騎士団30人を村に受け入れる事を決めた。
アイシアを呼んで30人が住む家の段取りを決める。
「出来れば2階建てで石のお家、屋敷のような家が欲しいですわね」
「それは出来ると思うけど時間がかかるわ」
「構いませんわ」
「ユニコーンの小屋は木で作っていいわよね?」
「ええ、それでお願いしますわ」
「問題は石のお家ね」
「石が無理ならレンガでも構いませんわ」
「うん、それはいいんだけど、基礎をしっかりしないと家が沈んだり壊れたりするの」
「一旦物資を取りに国に戻って帰ってきますわ。2カ月はかかりますわね」
「2か月で完成できるか分からないわ」
「最悪、1階だけちゃんと作るとか、ブロックごとに作るとかでいいんじゃないかな?」
「それなら、いけると思う」
「僕や他の人にも手伝ってもらうから」
「それなら、いけるわね」
「もし途中で無理に思う部分があれば無理せず進めて欲しいですわ。それではお願いしますわ」
「所で、温泉で大事な話があって」
「大事な話? ここで言えばいいじゃない」
「駄目だ。周りに人がいない所で話をしたいから(レティと温泉に入りたい)」
「ピサ王国の文化は存じていますわ。裸の付き合い、お互いに武器を持たず入浴する事で信頼関係を深める儀式、信頼を得る為に一緒に入りますわ」
レティが決意を固めたように言った。
「気のせいだったらいいんだけど、色々とこの村にも問題があってね」
「ええ、問題が全くないなどありえない事ですわね」
「何があるのよ」
「ここではちょっと、温泉で話そう、誰もいない所で、レティ、それにアイシア、3人だけで。僕は先に温泉に行っているね」
そう言ってアイシアが管理をしている温泉に向かった。
石鹸で全身を洗い木の湯舟に浸かる。
準備は出来た。
遅れてレティとアイシアが入ってくる。
2人はタオルも何もつけていない。
そう、信頼を得る為に体を隠すの、良くない。
礼儀大事。
「まずは体を洗って湯船に浸かってから話をしよう」
「分かりましたわ」
アイシアとレティが体を洗う。
目の前に映る光景を脳裏に焼き付ける。
レティはアイシアより胸が大きい。
でもファニーより少し小さい、それでも巨乳だ。
レティは、ファニーよりのむっちり感を少し無くした感じか。
仕草が上品でただでさえきれいなレティの魅力が更に上がっている。
丁寧に自分の体を洗うレティをずっと見ていた。
「こら、レティの体をじっと見ないの!」
アイシアが湯船に入ってくる。
「待ってるんだよ」
「言う事があるなら今言えばいいでしょ」
「だめだね、念には念を入れて、小さな声で集まってから言いたい」
「急いで体を洗いますわ」
「いいんだ、ゆっくり丁寧に、リラックスして欲しい。僕の気のせいかもしれないし何も起きないかもしれない」
レティが桶のお湯で体を流して湯船に浸かる。
「気になりますわ」
「もっと近づこう」
レティとアイシアが僕に近づいてくる。
4つのふくらみが湯船の上で顔を出して踊る。
「アイシア、レティも、村の人にはいわないでね」
「分かったわ」
「ええ、約束しますわ」
「実はね、ここに移住した兵士の中にスパイがいるかもしれない。でもそれが誰かは分からないんだ」
「詳しく、聞かせて欲しいですわ」
レティの胸が僕に近づく。
「独立の手紙が来た時の話なんだけど……」
僕はレティとアイシアの胸を見ながら情報が漏れていた事を話す。
そしてウォードと村長以外この事を知らず、協力して欲しい事も伝えた。
協力をしてもらうためにここで定期的に裸の付き合いをする取り決めもした。
そしてレティがお姫様である事はあっさりと明かした。
美少女姫混浴ゲットだぜ!
「確信したよ」
「マグナム、大人のマネをして何?」
僕は大人なんだけどなあ。
「裸の付き合いは大事だ、情報がどこで漏れるか分からないし一緒に温泉に入らないと言いにくい事も言える、すっきりしたよ」
「分かりますわ」
「所でレティ、恥ずかしいの?」
「は、恥ずかしいですわ」
「もお、マグナム、あんまり見ないの!」
アイシアが後ろから抱き着いて手で僕の視界を塞ぐ。
背中に2つの柔らかい丘が当たりむにゅんと吸い付くように密着した。
この密着感、いい。
レティは堂々としているように見えて恥ずかしがり屋で可愛い。
かなり無理をして温泉に入ったのが分かる。
そして僕を15才だと意識しないで後ろから抱き着いてくるアイシアもいい。
柔らかいアイシアの肌、洗って貰えていればアイシアの膝に乗る事も寄りかかる事も出来た。
でも自分で体を洗えることを見せてしまった。
せめて今はこの感触を楽しもう。
「ほら、逃げないの!」
目隠しに少し抵抗をするだけでアイシアの密着感が増す。
僕は何度も抵抗を続けて2人が温泉を出るまで密着度を増すプレーを楽しんだ。
そして1つ分かった事がある。
レティは自分の命を危険にさらしてリトマス紙にしている。
自分に危害を及ぼすか、それとも友好的な関係を築くことが出来るか探っている。
自分の体を張って。
ユニコーン王の王子(王の子なので王女も王子になる)は21人いる。
1人1人が役割を果たしている。
僕が思っているよりレティの立場は高くないのか、それとも国の為に体を張っているのか?
分からないけど恥ずかしがるレティがいい。
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