第13話 学校のパワースポット(3)

「どうしたの? 羽瀬川さん?」

 神城さんまでわたしの方を向いて怪しんでいる。まさか妖怪が見えているなんて信じられないだろうな。

「神城さん、なんで今までわたしのことをいじめていたの?」

 急に心の中の声が飛び出してきた!? よ、妖怪の仕業?

「え、そ、それは羽瀬川さんのお兄さんがわたしより頭がいいのが気に入らなかったからだよ……って、あ、あれ!?」

 神城さんも心の中の声がでちゃっているのかもしれない。いつもとはキャラが違いすぎる。

 もしかして、心の中の声がでちゃうから告白の木なんだろうか? だとしたら、ここでカップルになれたらお互い心から好きなわけだから上手くいく可能性は高いよな。

「そんなことが原因で無視したりしてたんだ、酷いね。地獄に落ちちゃえばいいのに」

 やばい、心の中の声が止まらない。どうしたらいいの!?

「あなたもわたしが太っていい気味だと思っているんでしょう? ぜったいにまた痩せてやるから! わたしを笑った奴らを許さない。いい中学校に行って、美人になって見返してやる……って、あれれ!?」

 この現象には神城さんも驚いているみたいだ。

「もう! いい加減にしなさい! ピクシー! わたしには見えているんだからね!」

 ついに妖怪のことまで口にしてしまった。アニメとかで話題にするぶんにはいいけれど、妖怪が見えるなんて言って、変な子だと思われないかな、それに、家保くんはなんともないみたい?

 なんでだろう。

「あははははっ! やっぱりあなたはわたしが見えていたのね。普段は人間の心の声を聞いて遊んでいるんだけれど、今日は、もっと面白いことして遊んじゃおうかな」

 もっと面白いこと……どうせろくでもないことだろう。しかし、わたしには妖怪と戦う力がないのだった。どうしたらいいんだろう。

「ピクシーよ、女の子をからかうのはいい加減にしなさい。性格が悪いよ。女の子になりたいなら外見だけでなく内面も磨かないと」

 家保くんの言葉に驚いた。ええっ、ピクシーって女の子の格好をしているのに男の子なの? しかも女の子になりたいなんて、進んでいるな。グローバルなところはさすが洋怪といったところか。

「わたしは人間の本当の気持ちを聞くのが大好き、逆に嘘は大嫌い。あなたはわたしの術にかかっていないみたいだけれど何者?」

「俺はちょっと妖怪に詳しいだけの、ただの転校生だよ」

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