頑張ったけど?
春休み頑張った成果がオレでもよくわかる‼︎
めっちゃこの数日間で背がのびることってあるん?
やっぱり早寝早起き脱完食‼︎これが一番大きく影響しているんじゃないだろうか。
…すげーっ
あまりの感動にオレは新しいお洋服を買いに繰り出すことにした。
ちょっと大人ぶってチャリじゃなく徒歩でお出かけすることにした。
まぁ、徒歩が大人なんてどんな発想かよくわからんけど…オレのなかではチャリより徒歩が大人という感覚なのである。
新しいお洋服を買ったところで…とくにだれと遊ぶ予定も、なんならデートの予定すらございません。
でも、いいじゃない?大人ぶりたいんですもの…。
そんな大人ぶりたいオレは、新しいお洋服をそのまま店員さんにお願いして着て帰ることに成功した。
おぉ、なんか…なんか一か月前のオレとはまったくの別人……
え?
だれ…⁇
オレって…だれかと入れ替わった⁉︎
ってくらいの変貌ぶりだ。
そんな変貌したオレは、今までは自信のなさもあり猫背気味だった。
しかし‼︎
今は、自信満々なせいだろうか?めっちゃ姿勢もいい‼︎
背筋をピーンと伸ばしてルンルンで颯爽と街を歩いていた。
「お兄さん」
…
どこからともなくお兄さんと聞こえたような…?
お兄さん?
鬼さん⁉︎
えっ⁉︎
「おにーいさんっ」
ビクッ
いきなりいい匂いを纏ったおしゃれ男子がオレの目の前にずいっとやってきた。
あ、オレ…このおしゃれ男子な人より背…高いかも。
マジマジとおしゃれ男子を見ていると、おしゃれ男子もオレをマジマジと見ていた。
「あの…あなたはいったい…」
戸惑いながらも話しかけてみると、おしゃれ男子がいきなりペラペラと話出した。
「ボク、すぐそこで美容師やっているんですが、よかったらイメチェンカットしませんか?」
なんて誘われた。
…
大丈夫か?怪しくないか?
一瞬不安になったけど、大通り沿いにあるらしいし、もし裏道に連れて行かれそうになったら逃げればいいだろうとついていくことにした。
するとおしゃれ男子の言う通り、おしゃれな美容室へといざなわれた。
そして、シャンプーをしてもらった。
全て無料で行われるらしい。
そのかわり、この変身前と後の画像配信をするというのがお約束だった。
まぁ、そんなの結構見たことあるし…軽い感じでオーケーした。
そして、心地よいシャンプーも終わりいよいよカットターイム‼︎
いつもは安い床屋で髪を切っていて、そろそろ切りどきだったのでとてもタイミングがよかった。
お任せでカットしてもらったのだけど…
なんか切り方がすごい…
なんかのパフォーマンスをみているようでとても素晴らしかった。
手際よくオレの髪の毛がパラパラと床に落ちていく。
そして…髪を乾かしてセットしていきますねと言われ、されるがまま状態で数分過ごした。
その間、オレはつい手元の漫画に夢中になり、できましたよ‼︎の声で顔を上げたら…
⁉︎
オレじゃなかった。
鏡に映っていたのは…
えと…だれっ⁇
鏡の向こうにいる人間…
…
えっとー…わけが分からず頭をぽりぽりすると、鏡の中の人間も頭ぽりぽり。
えっ⁉︎
これがオレ⁉︎
「どうですか?すごく変わりましたよね?」
と嬉しそうなおしゃれ男子の美容師さん。
…
あー、これ…オレなんだ?
と、夢からさめた感強めなくらい驚いた。
「すっごく…いいです‼︎」
と、おしゃれ男子美容師さんにお礼を述べて、スタイリングのやり方や、おすすめのジェルを教えていただいた。
あー、オレって…やればできるんじゃ〜ん
少し予定より帰りが遅くなったけど、家の前までくると、タイミングよく現れました‼︎
舞香‼︎
舞香、ビックリするだろうなぁと思ったら…舞香のやつ…オレにペコリとお辞儀だけして家に入って行ってしまった。
え…
それも、なんか…逃げるように行ってしまった。
なんか…なんか…せっかく頑張ったんだからなんかもっとあるじゃんっ⁉︎
ってなわけで、次の日。
自転車をキレイにメンテナンスするふりして舞香が出かけるのを軽く待ち伏せした。
すると、やっとこさ舞香が出てきた。
「おっす」
と、オレが話しかけると舞香は一瞬ビクッとして、またペコリとお辞儀をして足早に去ろうとした。
…
他人感…
卒業したら他人ってこと⁈
もう高校別だし、関わらないでくださいってやつ⁉︎
えええええっぇー…
「あのさ、」
と、舞香をひきとめようとすると舞香は…
「春休みだからお泊まりにきたんですね。わたし忙しいのでそれじゃ」
と、あっさり行ってしまった。
は?
何⁉︎
泊まりに来たって何⁉︎
オレずっとここに住んでますけどーー‼︎
舞香…
やっぱり…遠回しにオレをいないものとして扱うつもりか?
春休みだから、おばあちゃんちに帰省した扱い?
春休み明けたら…いなくなれよってこと⁇
透明人間扱いするってこと⁇
なんでええぇ⁉︎
ひどいよーー‼︎
まいかぁーー‼︎
…
オレはメンテナンスをしていたふうで持っていた雑巾をポトリと足元に落とした。
そして…
あのウキウキした気持ちまでもポトリとおちました…
…
続く。
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