第3話

「でさぁ、私、彼氏めっちゃラブラブでね!今度またデートに行くんだけど!男が喜ぶプレゼントとか教えてくれない?萌歌!」


「ええーでも、アタシそんなに男の子の好きなもの知らないよ。ゆきっちが一番いいって思ったやつが彼ピにとっても嬉しいって。でもまあ、絶対に失敗しない物はあるかなぁ」


「ええーなになにー?」




 隣の席に座っている如月さんはクラスでも人気者だ。昼休みにはこうしてクラスの陽キャたちが話しかけてくる。


 どこ人もオシャレでコミュ力高そうなチャラ系ばかりだ。


「よう!五十嵐。例の動画みた?」


 目の前に陰キャ仲間の田所 福がやってくる。


 僕の数少ない友人だ。冴えない感じでいかにもなオタク系男子、でも何も言わなくても同類だと伝わるオーラが僕たちを引き合わせてくれたのだ!




そんな彼が言っている例の動画、それは例のアレだ。


 ネットの海にはどんでもない物が沢山ある。


 なぜかホモビデオがオタクたちに流行ってしまっまり、人気アニソンにとんでもない下ネタ替え歌が作られてしまったりと無法地帯なのだ。


 「ああ、見た見た。やっぱりヤリスギラッシュ先輩はハズレがないよね」




 そんな他愛もない話で学園生活は終わっていく。


 オタクの青春ってこんな感じだよな。


 陽キャの席と陰キャたちの席。


その席の差はたった一人分ぐらいだが、その壁はあまりにも大きい。でもまあ、そんなもんだ。




 あっという間に昼休みも終わり、5時限目。


「コウ君ごめん!教科書忘れちゃったみたいで、半分見せてくれない?」


 如月さんが机をぴったりと付けて、僕によってくる。


 甘い香りがする。これがギャルの香り……


ってか良いよって言ってないけど寄せてくるの?


「いいですよ……どうぞ」


「ありがとう♡優しいね♡」


 優しいのかな?と思いつつ、また、セクハラされるのかなって、ちょっと身構えてたけど……


 まったく、そんな気配はない。


 それどころか、


「ここ、マーカー引いておいた方がいいよ」


とか


「あの先生の事だから、これ絶対にテストにでる。先生ちょっとイヤらしい所からちょっと出してくるから」


 と的確にアドバイスしてくる。流石の学年トップの成績。凄くわかりやすい。


 如月さんって見た目がギャルなだけで僕みたいな陰キャにも話しかけてくれる良い人なのかな?


 これまでも陽キャの間では普通の事だったりして……


 見せパンとか聞いたことあるし……


 やっぱり僕みたいな陰キャにセクハラなんて、考え過ぎだよね……


 キーンコーンカーンコーン


授業おわりのチャイムがなって如月さんも席を戻した。


 「コウ君、ありがとうね。はい♡これお礼♡」


そう言って彼女は棒付きの丸いキャンディを3つほど渡してきた。


「あ、ありがとう。あとで食べるね」


「うん。でも他の人に絶対にバレないように食べてね♡それ、男の子がだーいすきなやつだから♡」


「???」




そうこうして、家に帰る。


「如月さんもちょっと天然なのかな?キャンディぐらいで。確かに嫌いな人はあまり聞いたことないけど……」


 カバンから取り出して封を開ける。


 「あれ?これ棒が付いているのに付いてない。取れちゃったかな」


 ヌルヌルっ!


 あれ……これなんかヌルヌルしてる。それになんかゴムっぽい……


 丸い円形の外側を触ってみるとスルスルと伸びていって、まるでバルーンアートの長い状態みたいになった。


 あれ……これってもしかしてコンドー厶……


彼女の言葉が頭をよぎる。


 「こんなの貰っても、困るよぉ!!!」


残り2つのキャンディ型コンドーム


 こんなものを学校に持ってきて男に渡してくるとか


やっぱり如月 萌歌はとんでもないビッチだよぉ!

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クラスにいるギャルビッチ系美少女がオタク系陰キャの僕にセクハラしてくる件について TKあかちゃん @tktottuan

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