幕間:――先生という漫画家
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本名.
性別.女性
補足.元証券会社員
代表作
「真っ暗クライアント」
未来の見え無い日本を舞台にブラックな環境で頑張る人間を描いた人気作。
全国書店員が選んだおすすめコミック.3位
完結済み
主な経歴(一部抜粋)
大阪市立福島小学校 卒
大阪市立下福島中学校 卒
北野高等学校文理学科 卒
東京芸術大学 卒
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履歴書を見て、俺はつい口が開く。
「…ヤバいっすね」
「だろ?」
俺のつぶやきに先輩も心の底から思っているような感じで答える。
「いやぁ…っていうか北野高等学校って、あの手塚治虫も卒業したところでしょ?」
「偏差値75の」
「おっ!お前も漫画化目指してただけあってよく知ってんじゃん」
「俺はまぁ偏差値がどうとかいうのは知らなかったんだけどな…」
先輩はケラケラと笑って紙を振る。
「というか、この紙見せられた時点でわかってんだろ?神座クン?」
「?………!!」
「マジすか?俺が担当ってことに…?」
「そう!その通り!お前が担当ってことよ!」
こんなことがあってから二日、初対面ってことで、本社に集まって俺は黒音先生と会うことになった。
「どーも黒音先生!新しく担当になりました神座といいます。こちら、手土産です」
俺は国分寺にあるだんごの輪島のファイト最中を先生に渡す。
「どうも。もしかして、新人かい?君?」
「あ、はい。去年入社したばっかりですね」
「よし…私の好みの手土産を教えよう。私の好みはモンブランだ。これからはモンブラン……というか栗の菓子を頼むよ」
「は、はい!」
先生は薄ら笑いをそのままに、俺にそういってくる。
「ところで、君は私の読者かい?」
「あ、はい。俺はチョット前の作品で短編ですが、「神風分隊行軍中」が好きですね!」
「ああ!あれか!あれは私も自信作だったんだが…当時の担当には合わなくてね。連載が認められなかったんだ」
「本当ですか!?いやぁ…惜しいなぁ…」
こうして、俺は黒音先生と親睦を深めたのであった。
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後書き
【漫画:神風分隊行軍中】
大日本帝国時代の日本の仮想戦争を描いた大作…になる予定だったが、短編でいったん出してみたところあまり人気が見込めなかったためそれで終了。
一部からコアな人気があり、そこでは最近短編だった理由が編集者の意見。という噂が流れている。
元編集者の冥福を祈ろう。
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