第15話 『きらめきステーション』 その8
『しかし、ここにいつまでいればよいのでしょうか?』
『そうさなあ。時間というものは、相対的なものだからなあ。地獄連合の攻撃が収まったら、あんたさんは、夢鉄道当局が脱出させる。そいつは、間違いない。問題は、いつか? だがな。なんせ、鉄道空間が攻撃されたんだからなあ。そいつは、長年暗黙の了解があって、実行されたことはなかったんだが、地獄連合の総裁が、トンガリロさんになってから過激化したんだ。』
『その、天国は、なにもしないんですか?』
『天国長は、平和主義だからなあ。』
『なんか、わかるような。』
『しかし、そうはいっても、天国には伝家の宝刀もある。』
『なんでしょうか?』
『誰も知らないが。』
『はあ。誰も知らない伝家の宝刀かあ。』
地獄連合は、『きらめきステーション』が、ばらばらになるくらいに激しく爆撃していました。
『あ、あらあ。おいらたちのステーションがつぶれるだあ。』
『あれが、すべてなのに。』
『すべて、なのですか?』
『んだ。あのステーションが、我々の宇宙だあ。すべてだあ。キオスクのおばさんは、ちとちがうがなあ。』
『わたしは、やましんすてーしょんの所属ですから。』
『はあ。なんだか、難しいなあ。』
『情報がきました。火星の女王さま地獄が、空間に軍隊を出したそうです。』
向こうのほうから声が飛んだのです。
『あんりま、不介入といっていたべな。そいつは、大変なことだべな。』
『まあ、いまは、まだ、出した、というだけですが。しかし、あ、地獄連合軍が引いてゆきます。まさしく、不可思議な。さらに鉄道当局が、臨時列車をここに付けるそうです。』
『そりゃあんたさん。激しい幸運ですなあ。そんなことは、まずないだべな。あんたさん、女王さまとお知り合いですかな?』
『いやあ。とくには……』
しかし、あたりには、叫び声が響き渡りました。
『やた、やた。』
ちょっとしたお祭り騒ぎになっていたのです。
まるで、みな、ぼくのために、喜んでいるようでした。
🎆🎇🎆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます