第4章 神永未羅の場合 第40節 悪魔を憐れむ歌
その夜、私たちの「女中部屋」で、
私「ねえねえ、
私「キリスト教はキライだよ。最初に私たちを悲しみのどん底に
強くてキツいだけじゃ、ただの独りよがり。
弱さを強さに変えられるのが本当の強さ。
やりたいようにやるのが思い込み。
神仏の命じたルールに絶対服従するのが使命感だと言いたいんでしょ。
さすがは
ここは何でもいいから言い返すべきトコだ。
私「どうせ私は99
それくらい、知ってるよ。
こちとら、
私「えらく物分かりのいい、なぁんちゃってキリスト教でしょ。『キリスト教が三位一体でなくたって、別にええじゃないか。拝む神さまが何さまでも、別にええじゃないか』とかって、スマートはスマートだけど、
私「やたらと戦争に強くて、ドイツ
私「だから?」
こっちも
私「えっ! そこで、話がつながるの? もしかしてエリザベート様、キリスト教徒になっちゃったの?!」
これには本気でたまげたけど、
ホンット感じ悪いね、この女。
私「なに、それぇ? 『不合理ゆえにわれ信ず』って言ったら、アホ呼ばわりされちゃうワケ? そんなの、サタンの方がマシだよ。だって、私たち
でも、エリザベート様ともあろうお方が、なんで、よりにもよってユニテリアンなんだって。なんでもアリとは聞いてるけど、ユニテリアン主義の中にドラキュラの居場所はあるのかって。」
なるほど、ドラキュラ・コミュニティでは「どうでもいい」組だったのか。
「ちょっと、かわいそう」?
いや、そんなに、かわいそうじゃないな。
私「それでエリザベート様、
私「ちょっと待ってよ。これ、ドラキュラ・コミュニティの話じゃなかったの? 人間のユニテリアンは関係ないでしょう。」
私「そうやって、ず~っと、ダブル・ゲームやって生きて来たワケね、エリザベート様は。もう、ナマグサイなあ。お次に登場するのはBND(ベーエヌデー)のラインハルト・ゲーレン? それともCIAのアレン・ダレス?」
ゲーレンもダレスも、
私「ベルリンゲル? ああ、そうか。おんなじ貴族だから、」
私「だから、ハリウッド映画や、エルビス・プレスリーを毛ギライするんだ。」
私「反共主義がキライだからベリヤって、ちょっと安直すぎない? ソビエトは、
私「ああ、そうか。貴族の私がイワン雷帝とつるんで、どこが悪いと?」
私「まるでローリング・ストーンズの『
私「だからぁ、なんでニッポン?」
私「中国や
私「やれやれ、ドラキュラで、スパイ・マスターで、おまけに、ヘンな外人か。ねえ、どうやって
なんだかバカバカしくなって、そのまま
エリザベート様に
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