第19話

その男の名前は教えてもらえなかったので科学者Aとすることにした。

「はじめまして。魔物狩りの女の子。」と話す科学者A。

(魔物狩りの女の子…?たしかに魔物は倒していたが…狩っていると言うよりは世界を平和にしようとしているだけだ。)と思う楓に…

ピコン(それを魔物狩りと言うのでは…?)とソフィアが言う。

「そして私達ボスの邪魔者である魔物狩りの少女。」と言う科学者A。

(ボス?それが私の本来の敵なのか…?)と思う楓。

「黙ったままか…?」と聞く科学者A。

「はじめまして…科学者さん」と言う楓。

「ボスの命令では強さを測れそして殺すなと言うことだったな…」と独り言を呟く科学者A。

「強さはわかった。だから提案をしようと思ってな…」と言う科学者A。

「提案?」楓はどんな提案をされるのか内心不安だ。

(提案…多分ろくなものではない…)

「そうだ。お前が私達に攻撃とか邪魔をしないのであればお前とその仲間達に攻撃はしない…だが、邪魔をするのであれば…そのときは殺す」と言う科学者A。

(やっぱりろくでもない…それに…その方法はもう通用しない。私は見ているのだ。裏切るところを…)

楓は、記憶を見ていた時のことを思い出す。

蓮の眼の前で蓮の妹を殺し人体実験をし、魔物にするところを。

「少し時間をやる。期限は2週間後の午後12時にここに来て答えを教えてくれ。

来なかった場合は殺しに行く。」と残し消えていく。

(何だったんだ…?それと…あいつが言っていたボスと言うのも気になる。)と思っていると視界が明るくなった。

眼の前には零がいる。

戻ってきたのか…。

さて…これからどうするか…

とりあえずこの上にいるであろうファイヤーライトドラゴンを倒しに行くことにする。

零と雫と怨繆には後で先程のことを伝えることにし、上に登る。


頂上付近。

やはりファイヤーライトドラゴンがいた。

しかし様子がおかしい。

グォォォォ〜

グルルルルルゥ

と言うファイヤーライトドラゴンの苦しそうな声が聞こえる。

どうやら、科学者Aがこいつになにかしたらしい。

(まずいな…これは…あいつはどうやら凶暴化できる薬か何かをこいつに投与したらしい。)

「能力発動 零、楓に結界(強固)」

「能力発動 創製 岩石のなだれ」

「能力発動 破壊 凶暴する精神の破壊」

「能力発動 コピー 龍の波動(夢想)」

「能力発動 創製 グングニルスタール」

「能力発動 コピー グングニルスタール」

「能力発動 グングニルスタールの雨」


7つの能力を発動させた。

岩石のなだれ…岩と石を相手の上に出現させ落とす。

凶暴する精神の破壊…暴れる精神の核を破壊することで安定を取り戻す。

龍の波動(夢想)は過去と未来の投影の能力を使ったときに見たものを楓なりに変えた。

これは…剣に青い炎をつけ、何本も束ねて相手に攻撃をする。

グングニルスタール…赤い槍の生成。

グングニルスタールの雨…生成させた赤い槍をコピーの能力で複製、雨のように大量に降らす攻撃。


(これで消滅したはずだ。)と思っていると声が聞こえてきた。

(ありがとう。罪のない人間を傷つけるところだった。街を破壊したかもしれない。本当に感謝する)と言ったのは先程のファイヤーライトドラゴンだった。

(なに…お礼してんのよ…こっちはあなたを殺したのに…)と思う楓。


消滅したファイヤーライトドラゴンを確認して楓と零はクルン街まで戻ってきた。

そこで人間を改造して魔物にしている科学者Aのことを零、雫、怨繆に話終わったところだ。

「つまり2週間後までに倒せる算段を作っておかないとってことなのか…」と言う零。

「そ~なるね…」と楓。

「けど…幸いなことに一人でとは言われていない。」

(たしかに…言われていない…なぜだ?仲間を知っていて…なぜ…言わなかった?)と考える楓。

「それはおかしいよ…だって相手は私達の存在を知っている。なのに…なんで…一人でとは言わなかったのか…罠じゃないの…?」と言う雫。

(罠でもいかなければ雫たちが殺されてしまうかもしれない…だが、もしあの空間に私以外の例えば零や雫、怨繆などを連れて行かれたら…?なにも対処できなくなってしまう…どころか危険にさらしてしまう。)

「それでも私は行くよ…一人のほうが今回は良い」と言う楓。

「一人は危ないので、私達もついていきます!」と言う怨繆。

「いや、またあの空間に連れて行かれて、雫達も連れて行かれた場合私は能力を使えない…

だから守ることもできなくなってしまう」と言う楓に雫が…

「じゃぁ、私達が居なかったら楓が危険になるんじゃないの?楓は死ぬ気なの?」と聞いてくる。

「私は死なない…防御力が無敵なんだ…」と言うと雫は「嘘言わないでくださいよ…そんなのあり得ない…」と言う。

雫にステータス画面を送る。

雫は驚いた表情をする。

「え?ほんとに無敵なんですか…?」と聞く雫。

「あぁ…本当だ…だから大丈夫だ」と言う楓。

「この2週間で少し強くなれるように頑張ってみるよ」と言う楓に零たちは頷く。

(安心したかな…?)と楓は思った。

「それより街の方に影響は…?」と聞く楓。

「少し揺れた程度でした!」と報告する怨繆。

(なるほど…あの程度で少し揺れたくらいなのか…結界ってすごいな…)と思う楓。

「報告ありがとう。死傷者の数は?」と質問する楓に雫が答える。

「怪我人は少し揺れたときに体勢を崩した70代の人が擦り傷を負った以外いません!

死者はゼロです!」と言う。

(なるほど…守れたのか…)と思う楓。

「とりあえず科学者Aの件は私が一人で行く!絶対ついてくるなよ?」と楓が言うと作戦会議と情報共有が終わる。


そして楓は2週間トレーニングと研究そして新しい能力を使えるようにした。

そして今は当日の午後10時過ぎ。

約束の場所に早く来た楓。

そしてとある準備をする。

その準備は戦っている時のお楽しみだ。

準備ができた。

最後の作戦を自分でしているところだ。

そんなことをしていると2時間はあっという間に過ぎていった。


眼の前に科学者Aが現れる。

「早いですね。では…答えを聞きましょうか」と言う科学者A。

「私はあなたの提案に乗りません…」と楓が言う。

そして科学者Aは不満そうな表情をしている。

「せっかくの提案を無下にしたこと後悔させます。」と言った科学者A。

科学者Aと楓の戦闘が始まる。

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