第13話

マフィー街に戻ってきた楓達。

戻ってきた頃には夕方だった。

フリル街の人たちに安全だと言うこと、復旧作業は手伝うことを伝え少し寝ることとする。

そのために宿を借りなければ…。

宿を借りるため宿屋を探す。

宿屋は西に行ったところにあった。

昔の日本にありそうな古い宿だった。

木で作られておりとても落ち着く宿だった。

「一泊したいんですけど…」と言うと宿の店主であろう65歳くらいの男の人に声をかけた。

「一泊銀貨2枚だよ」と教えてくれた。

そして銀貨8枚を渡した。

「4人かい?」と聞かれ、「はい」と答える。

「珍しい組み合わせだね」と言われながら部屋に案内してくれる男の人。

「そうですかね?」と話を合わせながら進む。

そして案内された部屋は一番奥の部屋だった。

(零がいてくれてよかった…私一人だと怨繆を運べなかった。)と思いながら布団を敷く。

そうして怨繆を布団に寝かせ私も寝るのだった。


「お兄ちゃん…怨繆って…………だよね?」と言う雫と零の会話が聞こえてきて起きた。

「多分な。」と言う零。

時刻は午前4時。

起きるには少し早い時間だが…復旧作業の手伝いもあるし起きるかと思い起き上がる。

「零、雫おはよ」と言うと2人はさっきまでの会話が無かったかのように笑顔で「おはよ」と返してくれた。

「怨繆はまだ寝てるのか?」と聞くと「そうみたい」と言う。

「雫、怨繆起こしてくれ」と伝え楓は身支度を始める。

「ぎゃ~」と叫び声で何事かと様子を見に行くとそこには起きたばかりで状況が理解できていないであろう怨繆と困った表情の雫と苦笑いの零がいた。

私は零になにがあったのか聞くべく近寄った。

「零なにがあったの?」と聞く楓に説明を始める零。

「雫が俺を起こすときみたいに叩き起こしたから…」と言う零。

(あぁ…なるほど…痛くて飛び起きたのか…)と思う楓。

「雫起こしてくれてありがと」と言う。

「怨繆、説明したいんだがその前に1ついいか?」と聞くと「なんですか…?」と怨繆が答えた。

「私達と一緒に来ない?ご飯は好きなだけ提供する。水も飲みたいときに飲めるようにする。暴力はなし。戦いはあるが…」と言うと怨繆は少し考えてから「いいんですか?」と答えた。

「あぁ…構わない」と言うと「仲間になります」と言ってくれた。


それから1時間くらい支度時間で使い現在午前5時。

フリル街に復旧作業をしに行くとフリル街の人達がもう復旧作業をしていた。

「こんにちは」と挨拶をするとフリル街の国王であるフェリルが対応してくれた。

「こんにちは。楓さん。この度はこの街を救ってくださりありがとうございます。そして復旧作業の手伝いにきてくださり本当に感謝しかありません。」と言う国王に私は「いえ…戦ってめちゃくちゃにしてしまったところもあるので…」と言うと国王は「いえ…それはこの街を救うために必要な破壊だったので…」と言う。

(それじゃ始めるか…)と思い能力を発動させる。


「能力発動 物と時間の逆向」


これは物の時間を戻してくれる零の能力の応用だ。

零の能力をコピーし私の創製の能力で零の能力を改造した。

名前をつけるなら過去を変える。時間逆行。かな?

まぁ…名前は後で考えるとしてほとんど元に戻った街にみんなが喜んでいるようだ。

(さてと…そろそろ次のところに行くか。)と思い怨繆、雫、零がいる方向に向かおうとした時に声をかけられた。

「楓さん、街を守ってくださりありがとうございます。そして復旧ありがとうございました。それで…次行くところが決まっていないのでしたらクルン街に行ってみるのはどうでしょうか?」と50半ばくらいの女の人に言われた。

(クルン街か…行ってみるとするか。)と思いその女性に言う。

「いえいえ。クルン街ですか?どっちの方向にあるか…教えていただいてもいいでしょうか?」と聞くとこころよく引き受けてくれた。

クルン街は南の方角にあると教えてくれた。

それと地図をもらった。

(これで少しは動きやすくなりそうだ。)


怨繆たちのところに戻り、クルン街に行くことを伝えたところだった。

「楓さん、よければ…なにかお礼をさせてくれないでしょうか?」と国王に言われた。

「お礼ですか…?いらないですよ?私は私の目的を果たしただけですので…」と言うのも聞かず無理やり連れて行かれた。

(この世界の人達はみんな無理やり連れて行く人なのか…?)と思いながらついていく。


そしてお礼は服の提供だった。

そして全てフード付き…

(…なんで…全部フード付いてるんだ?)と思い辺りを見るとそこにあの魔物の居場所を教えてくれた女性が立っていた。

フリル街の王女だったらしい。

「こんにちは…」と挨拶すると「こんにちは。びっくりした?」と聞かれ楓は頷いた。

「まさか王女だったとは…」と言うと女性はコロコロと可愛く笑うのだった。

雫と零と怨繆が嬉しそうに服を見ている。

「今日はもらった服で行くか?」と聞くと3人が嬉しそうに頷いた。

私もなにかに着替えるか。と思い見てみる。

すると、パーカーとマントの間のようなものを見つけた。

(これにしよう。)と即決めた。

色は紺色だった。もちろんフード付きだ。

雫、零、怨繆はTシャツにマントを羽織った服にした。

(目立たない格好だな!)と私は思った。


そしてクルン街に向かうはずだったのだが…

グゥ~と零と怨繆のお腹が鳴ったので先にご飯にすることに。

手頃な定食屋に入り、私はグラーゲンフライ定食、雫、零はお子様ランチ、怨繆はグロス丼を頼んだ。

グラーゲンとはクラゲのような見た目の魔物。

グロスは豚のような魔物。

お子様ランチはオムライスのような見た目のものとハンバーグみたいなものが乗っていた。


食べ終わり、やっと出発だと思ったが昼過ぎになってしまった。

このまま行くと森の中で1夜過ごすことになりそうだったので宿を借りて明日の朝1で行くことにした。

それまではここの観光だ。


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