第12話

今はマフィー街に戻る最中だ。

目を覚ました怨繆に話を聞くところ。

「怨繆、なんで私達を狙った?」と聞くと怨繆は、雫と零を1回見る。

「だって…あなたたちこの人に飼われているんでしょ?だから…助けてあげようと思って」と言う怨繆。

(は?今こいつは何言ったんだ…?助けてあげる?たしかに買ったものだが…飼ってはない。雫と零は仲間だ。)と思っていると零と雫が反論する。

「違いますよ。楓は仲間です。飼われているのではなくて確かに元は奴隷商人から買われたのですが…それは私達を助けるためで…ついてくるかは自分たちで決めていいと言われました。」と説明してくれる2人。

怨繆はびっくりしている表情だ。

「酷い扱いを受けているわけではないのですか…?」と聞く怨繆。

「酷い扱い?私達にご飯を食べさせてくれたり服を買ってくれたりするこの人がするわけないじゃないですか!」と言ってくれた。

「なぁ、怨繆は元々奴隷だったのか?」となんとなく聞いてみた。

「はい。私は元々奴隷でした。そして環境が最悪でした。」と話始める。


怨繆は元々奴隷だったらしい。

そしてその環境は、怨繆の他に20人くらい奴隷がいて、ご飯や水は少量だけを与えられ、それを分け合って食べろと言う環境だったらしい。

だが食料も水も少ししかない。

だから取り合いだったらしい。

生き延びるために、必死に食べ物と水を取り合っていたらしい。

そして朝から夜まで掃除、洗濯、料理、暴力だったらしい。

暴力はその飼っていた人が気まぐれに選んでストレス発散にやっていたらしい。

(そんな環境じゃ、助けたいと思うのも無理はないのかもしれない。だが…私はそんなことしていない。)と思う楓。

だが、その飼っていた人が心臓発作で急死したらしい。

そして、怨繆たちは逃げたらしい。

怨繆はその後一人でマフィー街まで来て人間の姿に化けて生きていたらしい。


「なるほどね…大変だったんだね。」と言う楓に「同情ならいらないです。」と言う怨繆。

「頑張ったね。怨繆…」と言う零。

すると…怨繆は泣きそうになった。

「ありがとう…」と言うと怨繆はまた眠った。


(…怨繆のことどうするかな…)と考えていると雫がお願いをしてきた。

「あのさ、楓…お願いがあって。怨繆さん私達の仲間にしない…?」と言ってきた。

(は?仲間?こいつ信用できるのか…?)と思っているとピコン(なら、裏切る意思を破壊してはどうでしょう?)とソフィアが言った。

(裏切る意思を…破壊?そんなことできるのか?)と言うとピコン(できます。楓が持っているありとあらゆるものの破壊は意思すらも破壊できる。)と言われた。

(やってみるか…)

「能力発動 破壊 裏切る可能性のある意思 TheEnd」


この能力は意思を破壊するときに使える力らしい。

(仲間にするか…)と思い雫に「怨繆を今日、仲間にする」と淡々と告げる。

(しかし…仲間にならないと言った場合は…無理に仲間にしなくてもいいか…)と思うのだった。


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