第10話
その女の人は、怨繆と言うらしい。
怨繆は私達と一緒に行きたいと言った。
零と雫を見る。
すると零と雫は困った顔をした。
(正直仲間は増やしたくない。それに…この人は信用してない…から…怖い。)
ピコン(怨繆のステータスを見ますか?)と表示された。
(ステータス…多少は見とくか…)と思い見てみる。
名前 怨繆
レベル 400
攻撃力 600
防御力 500
魔力 300000
能力 魔法を操る。
(魔法…見てみたい。それに道案内人も必要だ…)と思いそのことを伝えるため、雫と零の近くに行く。
「道案内人も必要だ…それに、もし裏切ったときはこの人も魔物ということにならないか?それかこの人が私が探してる人を知っているかもしれない。」と言うと零と雫は納得したように頷いた。
「怨繆さん、私達と一緒に来てください。」と言うと怨繆は「わかりました」と言った。
フリル街までは歩いて12時間かかるらしい。
なので馬車を借りた。
すると6時間でついた。
「ここがフリル街…?」と私が聞くと「そうです。ずいぶん変わりましたが…」と教えてくれる怨繆。
そこには建物は全壊、魔物たちはうじゃうじゃいる…そしてあらゆるところに血痕があった。
(酷いな…魔物は氷狼のような姿だな…)と私が分析していると一匹が私達に気づき攻撃を仕掛けてくる。
「能力発動 破壊 ジ・エンド」
この能力はその生物の心臓を破壊するというもの。
ほんとにこの力はなんでもできるようだ…。
そしてその音につられ続々と魔物の群れが現れた。
「ッチ…数が多い」と独り言をつぶやく。
(どうする…ここで範囲攻撃をするのは雫たちにも被害が出る…かと言ってこの量をチマチマと殺るのもめんどい…どうする…剣を使えば行けるか…)と思っていると雫たちが戦闘に参加してきた。
「楓、なにか策があるのか?」と聞いてきたのは零。
「今考えてるところ」と言うと「なら、俺の方法を聞いてくれ。」と言う零。
(お!なにか策があるみたい。)と思っていると、零は「楓、俺達を全力無視で範囲攻撃、星と月の明るさ…と、ジ・エンド(零式)を使ってくれ!」と言ってくる。
「そんなことしたら零たちが木っ端微塵になるんやないか?」と問う私に零は「良いから俺達のことは気にするな!」と言う。
「わかった!どうなっても知らないからね!」と念を押す。
「能力発動 生成 星と月の明るさ」
「能力発動 破壊 ジ・エンド(零式)」
星と月の明るさはその名前のとおり、辺りを明るくしてくれる効果。
ジ・エンド(零式)は辺り一帯を吹き飛ばす効果。
ジ・エンド(零式)は周りも巻き込むため仲間を危険にさらす。だからあまり使いたくはない。
(そういえば零たち!大丈夫かな?)と心配していると後ろから「やっぱ…ジ・エンドの効果はすごいね〜…」と言う零の声。どうやら無事らしい。
(なぜ?辺り一帯平地になったのに。)と思っていると怨繆が「結界生成魔術ですよ」と教えてくれる。
(なるほど魔法っていうのはそういう事もできるのか。)と学ぶ楓。
「まだ全て終わったわけではないよ!城にまだいる」と教えてくれる雫。
「さてと…じゃぁボスを倒しに行くか!」と言う私についてくる3人。
王城の正門は開いており、いともたやすく入れた。
「ここがフリル街の王城…赤く広いお屋敷みたいだ。」
(魔物の数が少ないな…それに出てきたとしても炎のゴーストとかばかり。ひょっとしてボスが弱いのか…?)と考える楓。
そしてボスがいるであろう扉の前にたどり着く。
ここは普段王様が使っている部屋らしい。
「準備はできてるか?扉を開けるぞ?」と言うと「できてます!」と言う3人。
そして扉を開けた先に居たのは…大氷狼だった。
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