第9話

店主が奥から持ってきたのは鉄と金を混ぜ合わせて作ったナイフだった。

そして雫はそのナイフを持ちこれがいいと言った。

雫のは決まった。値段は金貨1枚。

「零はこれが使いたいって武器はある?」と聞くと「短剣が使いやすくていい…」と言う零。

「なぁ、短剣で戦いやすいのあるか?」と聞くと「ありますよ。」とにこやかに言ってくれる店主。

奥から取ってきたのは銅と金を混ぜたきれいな鋼色の短剣だ。

「これは軽くて持ちやすく切れ味抜群の剣です」と教えてくれた。

「零持ってみて?」と言うと零は持つ。

「…ごめんなさい。」と言う零。

「なんで謝るの…?」と聞くと零の代わりに雫が答えてくれた。

「お兄ちゃんは剣を握ると無差別に斬り殺してしまうのです。」と言う雫。

(それをもう少し早く知りたかった。)と思う楓。

「零、怖いなら武器持たなくてもいい。その代わり能力で戦ってくれ」と言うと「わかった」と言った。


武器屋を出て教えてくれた場所に向かう。

その山の名前をマフィー鉱山というらしい。

すごく大きい山だった。

(これ登るのきついな…)と思う楓。

ピコン(なら能力で空飛べる物を出すのはどうですか?)とソフィアが言った。

(たしかにその手があったな…)

「能力発動 飛行魔力」

と言うと私達の周りにシャボン玉のような玉が浮かんだ。

これに乗ってみた。

乗れた。

浮遊、移動。

すぐに頂上までついた。


そして対峙する。

オオカミの耳を持ちうさぎの体を持つ化け物。

大きさ約13メートル。

(ほんとに化け物だな…)と思う楓。

「さぁ…戦闘を始めようか」

「能力発動 星の雨 闇の霧」

「能力発動 月と太陽の明るさ+暑さ」


化け物は戦闘不能になったが倒せたわけではなさそうだ。


「能力発動 音符レーザー」

「能力発動 空と海の境界」


空と海の境界、これは重力反転の能力。

そしてこれは対象者が15秒間重力が反転し、空に落ちていく。

そして15秒後重力はもとに戻り対象者は地面と強く激突する。

だが…これの弱点は空飛ぶ魔物には効果がないことだ。

だが…こいつは空を飛べない。

終わりだ。


(あっさり勝っちゃったな…)と思いながら楓は零と雫に「戻るぞ」と言うのだった。


街に戻ると国王が目の前にいた。

「魔物との契約はなしだな?私が倒したからな」と言うと国王は「なぜだ…なぜ邪魔をした」と言う。

「それは、魔物と契約などという馬鹿なことをした国王にそれは違う!ということを教えるために俺がこの人に頼んだのだ!

王女がどうなるかわからん、王子は処刑それでほんとに国を救えると思うな!魔物は賢い故に人間を貶めるのを得意とする!騙されるな!」と30代半ばの男が言うと国王は「私が間違っていたのか?」と言う。

「あぁ、そうだ!国王、あなたは選択を誤った!そのせいで多くの犠牲者が出るかもだった!」と30代半ばの男が言った。

「現にその契約には、後継者を残さないと言う意味がある!王女は連れ去られて王女に出来ない!王子はうまれてすぐに処刑だから王様に出来ない!」と言うと国王は「たしかに」と言うのだった。

(国王は馬鹿なのか…?)と思う楓だったが声には出さなかった。


そうして旅を続けるべく次の行き先を聞こうとした楓。

だが…その声はある一人の言葉でかき消された。

マフィー街に突然やってきたフリル街の人たちだ。

「助けてください。魔物が私達の街に…」と言うフリル街の人たち。

「魔物に街を襲われた?」と言う楓。

「はい!助けてください。」と言われ零と雫を見ると軽く頷いた2人。

「わかりました。私と零、雫で行こう」と言うと周りは驚きの空気になった。

「私は能力最強ですので」と言うとすぐに移動をしようとした。

すると呼び止める声が聞こえた。

「待ってください。私も一緒に行かせてください!」と言ったのは18歳くらいの女の人だった。

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