連絡

「久しぶりだな。レオン」

「えっ‼︎ ライモンド様⁉︎」

「戻ってきたぞ」

「あれっ、お一人ですか?」

「ああ、ウィルは溜め込んだ仕事があるからな、しばらく休みも取れないだろうな。だから俺だけで来たわけなんだが。ほらお前、婚約者もできて宮廷魔法師にもなったってのに家族と連絡取ってないんだろ」

「ええ、連絡手段がありませんし…」

「そうだろうと思って、通信魔導具を借りて来たぞ。レオンの実家にいる城の使者も通信魔導具を持っていてな。これを使えば、連絡が取れるぞ」

「ありがとうございます‼︎」

「じゃあ、早速繋ぐぞ」

パアッ

真っ黒だった画面が明るくなり、向こうの景色が映し出される。

「「「レオン‼︎」」」

「お父様、お母様、お兄様‼︎」

「久しぶりだな。婚約のことも宮廷魔法師になったことも聞いた。おめでとう」

「ありがとうございます」

「凄いわ、レオン」

「ええ、さすがは僕の弟ですよ。でも…でもやっぱり寂しいっ‼︎」

「あの、婚約してもまた会えますし…」

「そ、そうだよね。約束だよ‼︎ 絶対にまた帰って来てね‼︎」

「はい‼︎」

「それと君は確か」

「はい。ウィリアム王子の侍従長を務めております。ライモンドと申します」

「そうか。連絡ありがとう」

「いえ。レオンにはお世話になっておりますので」

その後、少しの間だったが、レオンは久しぶりの家族との会話を楽しむことができた。

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