お誘い

「それで、兄上。昨日の件に関して聞きに来られたのでは」

「ああ、そうだ。兵を動かすだの何だのと諸々連絡が入ってきたんだが何がどうなっているんだ?」

「それが…」

ウィリアムがコウモリとの一連の出来事を説明する。

「なるほどな…。そんな厄介な奴がいるのか」

「はい。そのようです」

「とにかくお前は一旦俺と一緒に王宮に帰るぞ。仕事が山ほど残っているんだからな」

「ちょ、ちょっと待ってください!! まだレオンの魔法が見たいんです!!」

「もう充分見ただろ」

「まだまだ足りませんよ!! あっ!!」

「今度は何だ」

「肝心なこと言うの忘れてた!! レオン、宮廷魔法師にならない?」

「ええっ!?」

「…お前、それを言うために探してたんじゃなかったのか?」

「うっ。レ、レオンの魔法に夢中ですっかり忘れてて、その…」

「はぁ…。全くお前という奴は…」

「と、とにかくレオンはどうしたい?」

「えっと…有り難いお話しなのですが宜しいのですか。その、俺はまだ子供ですし…」

「ああ、そこは問題ない。優秀な魔法師は大歓迎だ」

「その宮廷魔法師ってそもそも何するんですか?」

「ああ、そうだな。宮廷魔法師は…」


宮廷魔法師には、大きく3つの種類があるようだ。1つは魔法師として敵と戦う。2つ目は魔法の研究、3つ目は魔道具の開発らしい。


敵が手強い相手だったときなど緊急時には、研究や開発をしている人たちも戦うことになるようだ。そして、優秀な宮廷魔法師の中には爵位を与えられて基本王宮にいない緊急時のみ戦う魔法師もいるそうだ。レオンはまだ10歳ということもあり爵位こそ与えられないが、緊急時のみ戦う魔法師として宮廷魔法師になってほしいとのことだ。


うーん…。どうしようかな…。


でも緊急時のみってことは他のときは自由にしていいってことだし、宮廷魔法師になってもやることは変わらないよな。

それなら…

「なります。俺で良ければ」

「うん!!ありがとう!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る