獣人の少女
ホワイトウルフと別れた後、今朝冒険者ギルドで引き受けた依頼を確認した。薬草採取だ。特に他に依頼はないようだったので薬草採取を引き受けることにしたのだ。薬草の種類も南部と北部ではかなり違う。北部はやはり寒さに強い薬草ばかりのようだ。いつも通り、探索魔法を使い、採取していた。そんなときだった。
「きゃあ!!」
どこからか悲鳴が聞こえる。
「行こう!!リナ、ルーン」
「はい!!」 「うん!!」
俺たちは慌てて悲鳴がした方に向かうと大きなホワイトベアと少女が見えた。
「ホワイトベアは人を襲うの?」
「はい!!」
それはまずいな。
すぐにその少女の周りに防御魔法を発動する。
「これは…」
「ホワイトベアは火に弱いはずです!!」
リナからそう聞いてホワイトベアに向けて火魔法を圧縮してぶつける。
「火よ、行け‼︎」
ドンッと音がしてホワイトベアは倒れた。
「すごい…」
「君、大丈夫?」
その少女は猫の獣人のようだ。白い猫耳と尻尾が生えている。
「えっ、ええ。ありがとう」
余程恐ろしかったのだろう。少女は安堵した表情を浮かべている。
とりあえず、その少女を家まで送っていくことにした。
その少女の家はとても大きなお屋敷だった。
「ここって、まさか!!」
リナが物凄く驚いている。もしかして、有名な屋敷なのか?
「ここが私の家よ」
その屋敷の中から執事が出てきた。
「ご無事でしたか、姫様!! 心配しておりましたよ」
「ええ、大丈夫よ。ホワイトベアに襲われそうになったんだけど、この人がね、倒してくれたの」
「ほお、ホワイトベアを、ですか。まあなんにせよ、ご無事で何よりでございます」
「さあ、中に入って」
「ちょ、ちょっと待って!! 姫様ってどういうこと!?」
「ああ、話してなかったわね。私はこの国の第一王女リリアーナよ」
「そ、そうだったんですね。姫様とは知らず」
「もうっ普通に話してよ」
「で、ですが…」
「いいから」
「わ、分かったよ。でも、中に入るわけには」
「だってお礼しないと気が済まないもの」
そう言われ促されるまま、中に入る。
そして、夕食も食べさせてもらった。その後、帰ろうとしたのだが、今日はもう遅いからと引き止められ、今夜は泊まらせてもらうことになった。
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