防御魔法

馬車に揺られること1時間程でミュントルに到着した。ミュントルには明日まで滞在する。明日にはまた北部に向かって進んで行く。


今日はこれから防御魔法の練習をする。この前ビッグウルフとの戦闘の際に防御魔法を練習していなかったことに気づいた。あのときは創造魔法で何とかしたが、冒険者に護衛の任務が与えられるときもある。そのときに防御魔法が使えないと便利が悪い。


防御魔法には2種類ある。目の前に発動させて瞬時に攻撃を防ぐタイプと自分を中心にドーム状の結界を張って防ぐタイプだ。折角だし、両方試してみるか‼︎


まず前者の魔法を試してみる。目の前に透明な膜を張るイメージだ。よし!!発動できた!!だがどのくらいの強度なのかよく分からない。そこにルーンが通りかかった。

「あっ、ルーン‼︎ルーンって魔法とか使える?」

「うん。使えるよ。どうして?」

「ちょっとお願いがあるんだけど、この防御魔法に向けて何でもいいから魔法を放ってくれない?」

「うん。いいよ〜」

そう言うとルーンは巨大な水の球を作る。水の球はさらに大きくなっていく。

えっ……。あれ最上級魔法じゃ…。さすがにちょっとやばくないか⁉︎

最上級魔法はその名の通り、全ての魔法の中で最も強い魔法だ。

あんなのを食らったらどうなるのか全く想像がつかない。

だがそんな俺の心配を他所に、ルーンは俺に向けて魔法を一気に放った。

「は、速い!!」

かなりの勢いで向かってくる。そして、次の瞬間…

バァンというもの凄い爆発音のような音が周囲に鳴り響いた。

「あれ?痛く…ない?」

俺は無事だった。なんと、防御魔法が壊れなかったのだ!!

「怪我させたら創造神様に怒られちゃうよ。あれぐらいの威力なら普通に防げるよ〜」

そうだったのか。あれだけの威力を受け止められるなんて凄い魔法だな!!と思った。


まあ、無論普通はそうはいかないのだが…。あくまで神獣基準の普通なのである。しかし、このときのレオンはそんなこと知る由もなかった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る