ゴブリン討伐

次はもう一つの防御魔法を試す。自分を中心にドーム型の透明な膜を張るイメージをする。どこかに隙間ができないように気をつけながら張っていく。できた!!ルーンに声をかけ、さっきと同じ魔法を放ってもらう。特に問題はなく、壊れたりはしなかった。これでまた一つ魔法を覚えたぞ!!


今日はこれからゴブリン討伐に向かう。ゴブリンが大量発生し、馬車を襲っているらしい。

「リナ、ゴブリンってどんな魔物なんだ?」

「そうですね…。ゴブリンには人型の魔獣で独自の武器を持って戦います。知能もあり、いろいろな策略を立てて、群れになって攻撃してきますから、非常に厄介な魔物ですね」

「そうなのか。だったら、範囲魔法の方が有効なのかな」

「確かに空から範囲魔法で狙った方が倒しやすいかもしれませんね」


まずはいつも通り探索魔法でゴブリンを探す。見えた‼︎しかし、あれは凄い数だな。群れといっても10ぐらいを想定していたんだが、10どころか50ぐらいいるぞ…。とにかく範囲魔法を実践してみよう。俺はいろいろな魔法を使う練習をしているうちに大体のコツが掴めてきた。要はイメージさえできればいいのである。だから、誰にも教えてもらわなくてもどんな魔法でもすぐに使うことができるようになった。


よっと、こんな感じか?範囲の指定をして、そこに水魔法を発生させる。水魔法は今まで使ったことがない。試してみたかったんだ‼︎

「やあっ!!」

魔法を勢いよく放つと、ドンッという大きな音がした。そして、ゴブリンは全員倒れたが威力の加減を間違えた。周りの木々は倒れ、地面に大穴が空いている。

「やべ、やり過ぎた…」

「………」

リナも固まってしまっている。

「ど、どうしよう‼︎」

このままじゃやばい。絶対に怒られる。ていうか、自然破壊だし怒られるだけではすまないだろう。冒険者ギルドから永久追放なんてことになったら俺は……。そんなこと嫌だ‼︎でも一体どうすればいいんだ⁉︎

「創造魔法で直しちゃえば」

「え………。そんなことできるの?」

「うん。できるよ。元通りになるようにイメージすればいいんだよ」

その手があったのか。ルーンに言われた通りにイメージする。すると先程の魔法で倒れた木々が元通りに立ち上がり、地面の穴も修復されていく。本当に便利な魔法だな。この魔法を与えてくれた創造神様には感謝しないとな。

「………」

「リナ?」

「元に戻った?そんな魔法あり?」

「おーい、リナ?」

「はっ‼︎すみません。あんな魔法初めて見たもので」

「俺も初めてだよ。世の中にはいろんな魔法があるんだな。もっといろんな魔法試してみたい‼︎」

え〜。そんな一言で片付けていいものなの?

そう思ったリナだった。

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