第1511話 450億円のつかいみち。


 アギトがロコに支払った900億の半分。

 450億円を入手したゲンは、

 当然、その使い道に悩んだ。

 悩んで悩んで悩みぬいた結果、


 ゲンは、

 100億の『ラムド王デュエルクエストモンスターズ』と、

 350億の『P型ウィトゲンシュタインのアトリエ』の二つを選択した。


 ※ 『以前に表示したリスト』において『450億におさまる金額の商品』は、この二つしかなかったが、しかし、あのリストはあくまでも一部であり、実際のところ、同じ値段の商品はほかにも山ほどある。ゆえに、ゲンは悩みに悩んだ。


 


 この二つの商品をサクっと説明すると、


 ・『ラムド王デュエルクエストモンスターズ』

 ラムドカードと呼ばれる特殊な召喚用魔カードを作成できるようになる。

 ラムドカードは、永続的に使用可能で、かつ魔力消費を必要としない。

 『ラムドカードにしたいモンスター』を10体以上倒すことで、

 そのモンスターのラムドカードを作成できるようになる。

 『たった1枚しかない希少なマスターカード』を使用した場合、

 一体しか倒したことがないモンスターでもラムドカード化可能。

 さらに、ラムドカードは、戦闘で使用することでレベルアップし、

 ある程度レベルアップしたラムドカード2枚を融合させ、

 より強力なラムドカードを作成することが可能。

 ザコモンスターのラムドカードでも、強化と融合を繰り返すことで、

 すさまじい性能のラムドカードにすることが可能。

 戦闘中にラムドカードを一時的に強化したり、蘇生させたり、より高位のラムドカードを召喚したりできるようになる『魔法ラムドカード』や『儀式ラムドカード』なども作成可能。




 ・『P型ウィトゲンシュタインのアトリエ』

 素材を組み合わせることで、自由にアイテムを作り出すことができる。

 本来であれば、超高位の錬金術師でなければ不可能な、

 『コアマテリアル』からのアイテム作成も可能。


 また、本来であれば『錬金術によるアイテム作成』は、

 『低位のアイテムを山ほど作って錬金術師としてのレベルを上げる』などして、

 段階を踏んでいかないと、高位のアイテム作成は不可能なのだが、

 『P型ウィトゲンシュタインのアトリエ』があれば、

 錬金術師としての技能が低くとも、超ハイランクのアイテムが作成可能となる。

 ようするに、『P型ウィトゲンシュタインのアトリエ』は、

 『本来であれば、長い時間をかけて会得する錬金術師としての技能』を、

 代わりに担ってくれる『オペレーションシステム』のようなもの。


 とはいえ、錬金術師としての技能がまったく必要なくなるというわけではない。

 というか、錬金術師としての知識と技能がなければ、

 より『高クオリティ』なアイテムの追及は難しい。


 『P型ウィトゲンシュタインのアトリエ』は、

 あくまでも、オペレーションシステムであり、

 最終的には、やはり、

 『OSをいかにうまく使えるか』がカギになってくる。






 ――どちらの商品も、非常に汎用性があり、

 やり方次第では、どちらでも『最強』を狙える凶悪な可能性を秘めていた。




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