第471話 アリア・ギアス特化のハメビルド召喚士『シグレ』
宣言の直後、シグレの指輪がカっと光って、
シグレの眼前に、強大なオーラを放っているウイングケルベロスと、
ハルスを絶望させた『死色の兵士』が三体登場した。
「……ぁ……は……ぁあっっ??!!!」
マヌケに大口をあけて、シグレが召喚した『異次元の化け物たち』を見つめるハルス。
理解がおいつかず、思考が停止しているハルス。
「すりーぴ……は……なんで、いや、それもそうだが……な、なんだ、あの凶悪な覇気を放っているウイングケルベロスは……ま、まさか、それが、お前の実力だってのか……」
「質問は後にせぇ。『ゼロさん』と『カース三兄弟』を召喚できる時間は限られとる。一秒たりとも無駄にはできん」
「……時間……制限……」
「呆けとるヒマはないっ! 時間は無駄に出来んと言うとるやろ! もう、言うてまうけど、この子らを召喚した時間の10000倍が、あたしの寿命から削られんねん! 今まさに、あたしの寿命は、ゴリゴリ削られとんの! 毎秒、3時間くらいの勢いで、あたしの寿命は減ってってんの! わかる?!」
それを聞いて、
(爆速で寿命を削るアリア・ギアス……それほどのデメリットを抱えているがゆえの召喚……そういえば、ラムドも、カースソルジャーに、自身の存在値をかなり注いでいたな……呪いの兵士……言い得て妙だな)
ハルスは、カースソルジャーという召喚獣について、少し理解できた気になった。
使用者が『莫大なマイナス』を払う事でしか召喚できない究極の召喚獣。
確かに強いが、使い勝手は悪い諸刃の剣。
そして、カースソルジャーは、『間違いなく究極の領域に在るバケモノ』だが、所詮は召喚獣――となれば、別に、ラムドしか召喚できないという訳じゃない。
(……敵として考えれば最悪だが、手持ちのコマと考えれば、これ以上の武器はない……それプラス、あの凶悪な性能のウイングケルベロス……)
とてつもないオーラを放っているウイングケルベロスの亜種。
ハルスが契約しているウイングケルベロスの存在値は23。
基本的に、ウイングケルベロスの存在値は20~25程度。
だが、シグレのウイングケルベロスゼロ(EW)は……
(ニーに匹敵……いや、それ以上の存在値……)
ゼロは、飛行性能特化の召喚獣のため、強さ的には大したことがないが、それでも、存在値80クラスの強さは持っている(存在値の実数値は170)。
そこで、
(シグレの存在値が異様に低いのも、もしかして、あのバケモノどもを召喚するためのアリア・ギアスの一つか? もし、そうだとしたら、随分と攻めた生き方してんじゃねぇか。少しだけ笑えるぜ)
ハルスは、
(……本来ならば、ここからにげ出すための方法を探さなければいけない局面なのだろうが……)
ニっと笑い、
(このメンツならゴリ押しでいけるな……くくっ、おもしれぇじゃねぇか。委員会の思惑をぶっちぎって、試験官の度肝を抜いてやる)
心の中でつぶやきながら、剣を構えなおす。
そんなハルスの様子を横目に、シグレも、
(あたしがカースソルジャーを召喚できることのフォローは……まあ、あんなもんでええやろ。ニーの話によると、『ある程度の存在値を稼げるヤツ』なら、割と簡単に『不死(無限の寿命)』のスペシャルを得られるらしいから、『寿命を生贄に捧げる』はデメリットとして不十分……けど、あたしなら、問題はない)
心の中でつぶやきながら、
究極神からもらったチートたちに意識を向けて、
「よし、ほな、強い者イジメ開始や。一号と二号は、あたしとゼンの護衛。三号は、ゼロさんと一緒に、あの鬼をフルボッコ! 遠慮はいらん。数の暴力で、いてもうたれ! ぁあ、一応言うとくけど、ここで終わりやなくて、まだ百回くらい同じことせなあかんらしいから、無理はせんときや。限りなく損傷をおさえながら、あの鬼をヌッコロスんや!」
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