第196話 チュートリアルは終わった



 イベントスイッチ002、ON。



 『――[原初の扉]を守護するガーディアンが破壊されました』

 『コスモゾーンのアップデートを開始します』


 ――――――……――――――






 『世界の進化』――成功。






 『原初の世界(深層)』への道が開きました。

 『センのコアオーラ』に、新システム『コードゲート』が導入されました。





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       テレレレッテッテッテー!


       サイコなんとかを倒した。

       パない経験値を得た。

       センの『GODレベル』が上がった。



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 ※ 【コードゲート】


 神の覚醒情報に関する暗号を解析し、『可能性の扉』を無理矢理こじあけるシステム。



 ※ 和訳

 【魔法もレベルも関係なく『全て』の上限がなくなって、無限に強くなれるようになりました】




 // やったね、センちゃん、存在値が増えるよ //
















 ――頭の中に、謎の声が響いた直後、




 グゴゴゴゴゴと、地獄の帝王の寝起きのような、地の底から響く轟音がして、




 スクランブル交差点のちょうどど真ん中に、



 ――突如、巨大な扉が現れた。



 放物線形の門扉には『精緻な銀河』が象られ、門扉の真上には、『星にからみついた龍』のシンボルがある。



 センは、






「……っ」






 ポカンと口をあけて、その、『デカい扉』を見上げる。




「……いやいやいや、一気に色々と起こりすぎなんだよ……」




 困惑の中で、センは必死に、起こった出来事を頭の中で整理しようと、




「えぇ、ちょっと待てよ……は? 世界の進化……? レベルアップ……」




 混乱しそうになったが、プルプルと頭を振って、



(落ちつけ。冷静になれ。まだ慌てるような時間じゃない。まずは、確認だ)



 センは、落ちついて、自分を鑑定してみた。



 すると、確かに、



(マジかよ……今まで、どれだけ……何をしても上がらなかった『GL』が……普通に上がっているじゃねぇか……)



 GODレベル(GL)は、神の領域に至った者だけの『特別な成長システム』(簡単にいえば、ディア○ロ3のパラ○ンレベル)。


 本来、レベルが上がった際の能力上昇はランダムオートなのだが、GLの場合は、自由に己を強化する事ができる。

 そんな、普通のレベルと色々違う『GL』だが、限界があると言う点は同じだった。





(上限の解放……まさか…………俺は……まだ、強くなれるのか……?)






 ――と、そこで、アダムが声をかけてきた。


「主上様……ぁ、あの扉は、いったい……?」


 神の動揺を受けて、彼女も困惑の底にいた。

 最上位に位置する従者ゆえに感じとれた、主の心の揺れ。


 センは答える。


「さぁな。俺にも分からねぇ……」


 そこでセンは、ユンドラに視線を向けた。


 彼女ならば、と期待して尋ねる。




「教えてくれ、ユン。何が起きている?」




 問われたユンは、困惑顔で、扉を見つめたまま、


「ワタシにも、分から……ない……けど……」


「けど、なんだ?」






「あの扉を開くカギなら……知っているわ」






「ほう、いいねぇ」


 センは、ニィっとほほ笑んだ。


 そして、問う。


「教えてくれ。どうすれば、あのでかい扉は開く?」





「……あれを開くために必要なのは証。この世界の強者である事を示す証拠……」 


 あまたの試練を乗り越えて、

 『己が可能性』を示した者のみに与えられる栄誉の具現。



 ――すなわち









「……『冒険の書』……」




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