第9話

ーー給食時間前

……っ

何とか授業は乗り越えたけど、

人が…怖い、

人目につかない場所で蹲ることしか出来なかった

右腕を強く握る。大丈夫、大丈夫大丈夫。

自分に言い聞かせながら呼吸を整えていた

その時、

「はる、大丈夫?」

1人の少女が話しかけてきてくれた

「るあ…」

強く力を込めてた左手が意思を失ったように垂れ落ちる

「人、怖い?」

流愛は毎回僕を助けてくれる存在だ、いつも思ってることを察知してくれる

コクン、と首を縦に動かした

「…そっか。」

といい、彼女は僕の手を握ってくれた

「大丈夫だよ。落ち着くよ」

その声がすごく安心する。僕は彼女に寄りかかるように身を委ねた。

彼女は少し驚いていたがいつもの笑顔を取り戻し

「ほんと、そういうところ女子だよね笑

見た目はかっこいいし私以外にはこんなことしないのに笑」

少しムスッとする。そう、雨宮春音は生物学上は女なのだ。ちゃんと胸もある

ボーイッシュにしたかったのは…何となく、ただやりたいなって思っただけ

「あー、怒った?ごめんごめん笑」

そう言って僕の頭を撫でる、少しばかり嬉しい。それに対抗するように彼女に強く強く抱きつく

「え、ちょっと、!?笑

きついって!!」

そんなことを言っても抱きしめる力を緩めない、流愛も大好きなのだから。

さすがに一年以上茜と会えてないと欲求ってものが出てくるらしい、最近は流愛に依存しまくりだ。

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