2作目 8歳の天使に恋をしたので母親と結婚して幸せにする
https://kakuyomu.jp/works/16818093076795284567
作者;みどりの様https://kakuyomu.jp/users/badtasetedog
この作品の一番の魅力はロリコン公親が自分の立場を利用してその目的を達成してしまう、という部分にあると思いました。それゆえ、その後どうなってしまうのか、と最後まで読ませ切る流れが魅力的でした。以下がお返事の抜粋です。
(元は4000字程度)
この度は自主企画へのご参加ありがとうございました。
今回は医療に関連する部分で、気づいた点をお知らせいたします。
①
"……解剖の授業のたびに『貧血』になる私に……"
◎〜○判定:
ふらっとして「ばたっ」と倒れてしまうことを「貧血」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、実はこれは間違いです。貧血の症状は「疲れやすい」「ふらふらする」というものはありますが、ばたっと倒れてしまう、もしくは気を失うということは原則ありません。おそらく一般的に「貧血」と言われる怖いものや、恐れているものに触れて倒れてしまうことは「迷走神経反射」とよばれる自律神経に関連する症状で、貧血があってもなくても起こる人は起こります。
とはいえ、「迷走神経反射」という言葉を知っている人は少ないと考えられますので、このような表現はいかがでしょうか。
"……解剖の授業のたびに気を失って倒れていた私に……"
また、解剖の授業は人体を切り、それなりにグロいものになりますが、血はでません。(血があるとご遺体が腐ってしまうので、亡くなり次第すぐに特殊な液で置換します)一方で、早ければ2、3年で採血の実習があります。こちらは針が怖い人、血が怖い人は倒れる人もいるかもしれません。
"採血の実習の度に気を失って倒れていた私に……"
という描写もいいかもしれません。
③"医局人事で配属された私に与えられた仕事は、入院病棟で患者のカウンセリングを行うことだった"
○判定:
「精神科医がカウンセリングをするのか?」
精神科医が話を聞くことを診察、それ以外の人が話を聞くことをカウンセリングとざっくり分けているようです。カウンセリングは病気の診断はしませんし、薬物の治療もしません。認知療法のような薬物を使わない心へのアプローチはあります。一方で医師免許は不要です。
私が働いていた病院では、月に1度精神科医が来る日がありました。そこにまとめて入院中の患者さんで精神疾患を持つ、もしくは疑われる方の相談をしていました。これは診察であり、カウンセリングとは呼びません。
一方で、小児の場合は不登校など、家族問題含め心のケアに不安がある子は臨床心理士の先生(医師ではありません)にカウンセリングをお願いしていました。
これを踏まえると、精神科医は「カウンセリング」はできなくはないということになりますが、かなりもったいないことをしていることになります。仮にもし医局の人事で精神科医に「カウンセリング」をさせるということは精神科医にしてはかなりレベルの低いポストを命じられたことになります。例えるなら大学の教授に、高校生の家庭教師アルバイトをさせるようなものでしょうか。
しかし前後関係を拝見し、ここをうまく利用する方法もあると思います。
"精神科ならやっていける、と思っていたがそれすらもままならなかった。混沌とした精神疾患の海に触れていくうちに自分の方の精神がやられてしまった"
"病気による休養という名目で引きこもっていた自分に、今の病院の院長が声をかけてくれた。研修医の時にお世話になった院長だった。「お前精神科に入ったんやろ? もし暇やったら、うちの入院患者のカウンセリングでもしてくれへんか?」
"診察とカウンセリングは違うんだよ、喉まで出かかったが、今の自分はそんなことを言える立場ではなかった"
"それどころかそのカウンセリングすらままならない自分がいた"
もしくは後の⑥にもありますが、真尋と出会うためにカウンセリングが必須ではないのであれば、「診察」に統一してしまう方法もあります。
代替案
"医局人事で配属された私に与えられた仕事は、田舎の小さな病院だった。ほとんどが高齢者の愚痴を聞くだけの病院で、ここなら私でも大丈夫だろうとの医局の配慮だったが、私はそこでも他人とまともに接することもできずに失意の底にいた。"
精神科外来というものを設けて、そこで働く、という形です。こうすると、その高齢者の中に真尋が患者として来て、とすれば流れはスムーズになるかもしれません。
⑥"入院病棟の患者の診療を続け、外来の診察では年配の患者から愚痴のような話を聞かされる毎日。
私の人生は灯りの無いトンネルを歩き続けるようなもの……あと何年こうして生きていくのだろう"
○〜△判定
③の代替案であれば、"入院病棟の患者の診察"を省き、
(カウンセリングは診察ではないのでは? という指摘が入る恐れがありますので)
"外来の診察では年配の患者から愚痴のような話を聞かされる毎日。私の人生は灯りの無いトンネルを歩き続けるようなもの……あと何年こうして生きていくのだろう"
でもまとまるかと思います。
公親の腹黒さがじわりじわりと出てくるところは非常に惹き込まれました。「お母さん、だめだよ……」と個人的に思いながらも流されてしまうシーンが素晴らしかったです。
しかも狙いは真尋なのに、それを隠して近づくところが本当に腹黒くていいですね。お話として非常に良い展開だと思いました。
今後のみどりの様のご活躍を期待しております。
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