第18話 彼女は、落下する。

本編第11話 「12月 カヌキさんは落下する」 https://kakuyomu.jp/my/works/16816700428006723904/episodes/16816700428747474828


 ネタにした映画タイトル

「落下の王国」(2006)


 こんちは、うびぞおです。

 今回ぐだぐだ書くのは、『落下の王国』です。ホラー映画じゃなくてファンタジーなんです。なんか、最初にこの映画を知った時は、「ザ・フォール」っていう、原題まんまのタイトルだったような気がするんですが、ブルーレイを買った時には、「ザ・フォール/落下の王国」になってて、気がついたら「落下の王国」でした。タイトルが変更されることってあるんだなあ。


 うびぞお、これまで何本映画を観たのか、もう全く分かりませんが、最も美しいと思っている映画は、この『落下の王国』です。Wiki調べたら、13の世界遺産、26ヶ国で撮影されたそうです。そして、この映画で故石岡瑛子さんが、アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞されています。美しい場所で美しい衣装を着た俳優やダンサーたちの姿を見るだけでももう圧巻です。

 それでいて物語の方も、影で映画を支え続けたスタントマンたちに捧げるもので、映画への愛にも溢れてます。



 さて、この映画の監督は、ターセム・シン監督と言います。

 この監督の長編第2作が『落下の王国』で、第1作目が『ザ・セル』というSFスリラーでした。殺人の話なので、おどろおどろしいのですが、やはり美しい映画でした。死んだ連続殺人犯の記憶に潜るという物語で、この記憶の世界が不気味ながらもやはり美しかったのです。かなりのグロでもあるので人によっては美しくは見えないでしょうが(苦笑)。主演のジェニファー・ロペスも当時は旬で、大変美しかった頃でした。もし、美しい映画をいくつか選ぶのなら、『ザ・セル』を必ず入れます。

 そして、第4作目で、石岡瑛子さんと再びタッグを組んで撮影したのが『白雪姫と鏡の女王』です。これもまた、非常に美しくてコミカルで楽しめるファンタジーです。ミュージカル風のエンディングがすごく好き。ただ残念ながら石岡さんの最後の映画となってしまいました。

 石岡さんのデザインのないターセム・シン監督作品は、余り魅力を感じられないと思っていたところ、長編第5作目(イマイチだった)以降、もう10年くらい映画の新作がありません。

 美しい映画を撮れる監督なので、いつか、また、新作映画を観たいです。



 ____


 お礼を言うわたしの顔を見て、カヌキさんはほっとしたように笑った。それから、わたしのあげたプレゼントの包装紙を丁寧にはがしていく。

 ぱあああっという音が聞こえるくらいカヌキさんが笑顔になった。

「わたし、映画のこと分かんなくて、クリスマスのほらぁ映画を検索掛けてもピンと来なくて、調べてたら、美しい映画って紹介されてたのがこれだったから」

「私、今まで観た映画で、これ、一番きれいだと思ってる映画なんです!」

 わたしの言葉に食い気味にに、カヌキさんは大きな声を出した。

 わたしがあげたのは、ある映画のブルーレイ。ホラー映画じゃないからどうかな、って不安だったのだけど、カヌキさんが顔を上気させて喜んでいるのを見て安心した。

 うん、「サタンクロース」を選ばなくて正解。


 遅くなった夕御飯とケーキを食べた後、食器やゴミとかを部屋の隅に押し寄せておいて、カヌキさんとわたしは、いつものようにソファーに並んで座って映画を見始めた。早速、わたしがプレゼントした映画を。主人公は撮影中に大ケガをして再起不能になってしまったスタントマン。彼は、腕の骨折で同じ病院に入院していた移民の幼女と出会い、自殺できる薬を手に入れるため、幼女を手懐けようとする。彼は、幼女に不思議な6人の勇者の物語を語り始める……


「う、わぁぁ…」

 ため息混じりの声が漏れる。

 それが何度も、何度も。

 世界中の世界遺産を含めた美しい風景に、美しい衣装をまとった人間たち。まさしく動く絵画。物語よりも、とにかく映像が圧倒的だ。こんな映画があったんだ…。

 

「綺麗すぎて怖い…」


(本編第11話より抜粋)

 ____



 クリスマスの話を書こうとして、ミヤコダさんがカヌキさんに映画のソフトをプレゼントするとしたら何だろうと考えました。映画の良し悪しが分からないミヤコダさんが、カヌキさんが喜ぶほどのホラー映画を選ぶことに疑問を感じて、じゃ、ホラー映画ではないとしたら、お洒落なミヤコダさんなら綺麗な映画を選ぶだろうと思いました。

 で、選んだのが『落下の王国』でした。

「美しい映画」で検索を掛ければ、よく出てくるタイトルです。もし、この映画を知らない方がおられるなら、是非とも知ってほしいとの思いもありました。


 まあ、綺麗な映画だろうが、ホラー映画だろうが、この話は、酔っ払ってキス魔になるカヌキさんというオチだったので、結局、どんな映画でも関係なかったですね。

 今なら、クリスマスの映画には『バイオレント・ナイト』を選びます。

 この映画については、映画記録『半分Movie Geek』の「38 バイオレント・ナイト」にちょろっと書いてます。 https://kakuyomu.jp/works/16818093082537835700/episodes/16818093083742845028


 次回は、再録の短編で似非エッセイを書きたいと思ってます。

 よろしければ、この映画でミヤコダさんとカヌキさんの話を書いてみろ、みたいな映画リクエストください。まだ、お一人しかリクエストをいただいてないので、超絶寂しいです。よろしくお願いします。

 ニチアサ更新でした。よろしければ、また来週もお目にかかりましょう。

 今回も読んでくださってありがとうございました。



 うびぞお













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