ウルフ
進化系統
ベビーウルフ(なし)
ウルフ(Cランク)
シルバーウルフ(Aランク)
フェンリル(S〜SSランク)
エルダーフェンリル(不明)
亜種
シャドウウルフ
解説
狼のような姿をしたモンスター。同族との繁殖により数を増やす。肉食。決まった生息地はなく、森、洞窟、雪山、火山と言ったようにいたるところで発見される。特筆する点としては、フェンリルがその生息地にいた場合、環境に似た属性の魔法を使うことが多い。森なら草属性または森林属性、火山なら炎属性または爆発属性。灰色の毛で全身が覆われており、全長2〜3メートルの体格。どこにでもいる割には攻撃力が高い部類のため、ほぼ毎年死亡理由のランキングトップ10に入っている。このモンスターを一人で倒せるようになれば中級者の部類だと言われている。ウルフの時期に格上の相手を数体倒すとシルバーウルフに進化する。フェンリルに進化するには第一として一定量以上の魔力を保有していることが前提であり、魔力がなければいくら格上の魔物を倒しても進化しない。フェンリルに進化すると表立って人族、亜人族と敵対することは少なくなり、敵対するのは自分の住処が破壊されそうになった時、もしくは家族が殺されたり奪われたりした時が多い。エルダーフェンリルは500歳を超えたフェンリルの俗称。非常に長い年月を生きているため、人の言葉を話す個体も少なくない。友好な関係を築くことができたら非常時に力を貸してくれることもあり、過去には『嫉妬』の魔族が攻めてきた時、運良く友好関係を築くことができていたため魔族を討伐してくれたことがあったと言う。また、受けた恩は必ず返す性格。長い年月をかけて技能を極め続け、ただのスキルがユニークスキルに進化しているものがほとんど。そのどれもが非常に強力のため、敵対した場合は『災厄』とまでも言われる。討伐された回数は過去1000年間で1度もなく、3度敵対したことがあるがその対象となった国はすべて皆殺しにされている。判明している魔法は以下の通り。
極滅爆炎の豪雨(爆発属性)
永劫凍結の呪詛(凍結属性)
樹林滅絶の封印(森林属性)
神聖浄光の祝福(神聖属性)
絶望暗世の案内(暗黒属性)
亜種
夜に愛されたウルフ。普通のウルフとは違い夜に行動する。また、ウルフよりも少し身体が小さい。昼間は洞窟内で眠り夜に獲物を狩りに外に出てくる。最も危険な点は身体が黒いため目を凝らさないと全く見えないことだろう。足も速いため、逃げ切ることはまず不可能。シャドウフェンリルに進化することもあり、進化時に確定で『夜の眷属』という称号がつく。
素材
魔石
ウルフの牙
ウルフの毛皮
ちょっとしたお話
昔、とある国に動物たちを愛し、また愛される姫がいた。その動物たちの中の1頭がベビーウルフだった。姫が外出した時、足から血を流しているところを拾われ、助けられた。そのようにして助けられた動物、魔物が多くその国には住んでいた。犬や猫、鳥、そしてノーマルサーペントやグリフォンも共に生活していた。姫の性格が国民に伝搬したのか、はたまたその国全体の性格だったのか。詳しいことは判明していないが、とにかく当時人間と魔物が共存している国として世界中で知られていた。特別国が豊かだったわけではないが、笑顔が多く、いつでもどこかで笑い声が聞こえていた。その幸福を妬んだのか、ある日『嫉妬』の魔族がその国に攻めてきた。国は悲鳴に包まれ、笑い声などは一切聞こえてこなかった。魔物も国から逃げ出し、万事休すかと思われた。しかし、1体のベビーウルフが戻ってきた。次にノーマルサーペントが。また次にはスライムが。その次にはグリフォンが、といったふうに逃げたはずの魔物たちが戻ってきた。その魔物たちは同族や自分たちの家族を引き連れてきており、その連れてこられた魔物たちは意思が強く、まるで自分たちの家族、仲間が受けて恩を返すかのような思いがあった。その後の顛末はもう分かるだろう。魔物たちの力もあり『嫉妬』の魔族を討伐することができた。エルダーフェンリルもそこにおり、森林属性の魔法を使っていた。森林属性の特性として、植物を頑強にして操るという特性がある。その魔法は最高位魔族を絡め取るくらい造作もないレベル。動けない状態のまま集中砲火をその身に浴びた。そのことは文献に記されており、一部を抜粋すると、『その国全体が魔物と共存していたおかげであの場にいたすべての魔物が力を貸すことを決断したのだろう。おそらく、欲にまみれた人間が多い国だったならばこの奇跡は起こらず、ただ全滅するのみだったと思われる。特に、エルダーフェンリルがいた事は最大の幸運だったであろう』とのこと。
悲劇があるなら奇跡もある。このことは『バーギットの奇跡』と呼ばれ、今なお語り継がれる伝説の一つとなっている。
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