第10話 新天地にて

「我々は新たなる冒険者を歓迎しよう」

、、、俺は一歩踏み出した

「俺は構わない、喜んで協力しよう」

そう言っててを差し伸べた

「ロスト、そんなことすぐ決めちゃってよかったんですか?」

フローの方を向いて少し頷く、

「だが条件がある、一つ俺たちの質問に答えること、二つ俺たちは素材と情報が圧倒的に足りない、少しでいい提供するか、採取やレベル上げができる場所を教えてほしい、3つ俺たちはここで言う平民だ、そして俺たちの世界には政治家という政治に関与する人間がいるそういった人間に手を出すなと言われた場合手を貸すことはできないかもしれない、これだけは考慮してくれ」

俺はフローとスフェーンのところに戻り、2人の方を向いて呟く

「これなら大丈夫だろ?」

「そうだけど、」

スフェーンの言葉を遮って話を続ける

「それに、素材は今一番欲しい物だからな」

2人とも少し黙ってから頷く納得してくれたようだ

「ならば早速情報交換といこうか」

「ああ、俺も聞きたいことはあるからな」

基本的に俺と団長で話してはいるが、2人もちょくちょく話してくれるだろう

「聞きたいことってなんだ?答えれる物なら答えてやるよ」

「そうだな、まず俺たち冒険者は死んだらどうなる?蘇生魔法のような物はあるのか?」

、、、

「俺たち冒険者は、死んだ場合塵一つ残らず消滅する、残るのはそいつがもっていたアイテムや装備品だけだ、蘇生方法なんて都合の良いものはない」

おっとーゲームと共通点が多いから、てっきり蘇生方法が存在すると思っていたが死ねなくなったな、というか死んだらアイテムを落とすならあの暗殺者やゲケルはなぜ落とさなかったんだ?

「普通のモンスターがアイテムを落とさないのはまだわかるが、俺が倒した暗殺者やゲケルはなんでアイテムを落とさなかったんだ?」

団長は少し考えるがすぐ口を開く

「暗殺者と言ったな?おそらくだが、ドロップアイテムを転移させてどこかの倉庫などに移動させるアーティファクトを使用したかもしれん、暗殺者にとって自分が死んだ時にアイテムを奪われたりすると、追跡されてしまう可能性があるからな」

確かに一理あるな、暗殺者としてではなくとも相手に装備を奪われるのは避けたい、少なぬとも俺ならそうする

「わかった、なら次の質問に移ろう、敵の数や規模はわかるのか?」

「はぁ、大まかにしかわかっていない、モンスターの種族によって軍を築いていることはわかっているが、その軍がどれほどの部隊いるのか一つにつきどれだけの規模かも不明だ、唯一わかっているのはここ最近でよく攻めてくる、ゴブリンを中心とした亜人の軍隊だけだ、その軍は拠点も特定してあるが、防戦一方で攻めにいけない、そんな状態が続いている」

「なるほどな、となるとまずはそこを潰さないとな」

そう言うと団長は頷いた

「話が早いな、その通りだ」

「んで、その拠点はどこにある?」

次は団長がのこら周辺のマップを展開してこちらに見せる

「まず、ここがこの拠点だ」

地図の中央部を指差す

「そして」

その地図をしばらくスクロールする

「ここらか北に20キロほど行ったところにその拠点はある」

20キロか、普通の人間なら徒歩で5時間、でも山が複数個あることを考慮するとかなりかかるな

「移動方法はどうするんだ?」

「そうだな、基本的には馬ぐらいしかないが、ステータスがあるからな走っていってもそこまでかからないはずだ」

まぁ確かにステータス補正があるとはいえこっちは数日前までただの高校生だったんだ、流石にいきなり20キロを走るのはきつい

「んー、わかったそこら辺はまたこっちで考えておく、偵察とかは済んでるのか?」

「偵察か、さっき話した4人目の固有スキルが偵察向きなんだが」

団長は少し困ったような表情をする

「攻略が済んでないダンジョンがあってな、確実に向こうにたどり着く方法がないから偵察はできていないんだ」

「そうだな、なら、今度そのダンジョンは俺たちで攻略しよう、複数人で行けば問題もないし、素材も手に入る」

「ならダンジョンの位置も教えておこう」

団長はさっきの地図にいくつかピンのような物をさして印をつけた

「今はこんなとこでいいな、次はここらを案内してくれないか?」

「ああ構わない、外に出よう」

団長、ヒバナ、レーゼは俺たちの隣を通って扉を開ける、そして俺たちはそれについていく、そして扉を出てすぐに左に曲がり、しばらく進むと、いくつかの屋台のようなものが並んだ場所についた

「ここは商店街だ、規模は小さいが、武器やアイテムの取引をしている、換金所もあるぞ」

「換金所か、どうやって換金してるんだ?」

「そうだな特殊なアーティファクトを使用してアイテムを金に変換するんだ、ただしそのアーティファクトは国直属のアーティファクト作成師しか作れない、今となっては作れる者はいないがな」

振り返って別の場所に行こうとしたが、団長が何かを思い出したように俺を呼び止めた

「そうだ、ここに来たんだからなあいつに測定してもらおう」

「測定?なんだそれは?」

「4人目の固有スキルだ、ここにいるからな、どんな能力かはあえばわかる」

、、、

ちょいと不安になってきたな

「ここか?」

こちらも石造の建物で中には紙が、おそらく何かの記録用紙のようなものが棚に置いてある

「この冒険者が向こうの世界からきたやつらか?」

声がした方を向くとフードを被った小柄な人間、いや耳が生えている人間じゃないな、まぁとにかくそいつがいる、武装はダガーと軽装で大して筋力があるようには見えない

「オイラはマラ・アイラ、聞いてると思うけど固有スキルは測定、誰でも使える鑑定と索敵スキルの上位互換、君たちがここに来た時からいるのは気づいてたし普通じゃわからない種族、性別、年齢、使用する武器にそれの能力、固有スキルの能力、魔法の適正一眼見ただけでわかるよ」

「すご」

スフェーンが咄嗟に驚いたが、俺はそれよりも気になることがある、こいつもしかしてだけど"女"だ、中性的な顔立ちをしているがおそらくそうだ

「あんたもしかして女か?」

「おお、坊やよく気づいたね、まぁでもオイラは君よりずっとオネーサンだからね」

この見た目で年上は少々驚いたが年齢は聞かないでおこう

「ここで魔法適性を見てもらえ」

団長がそう言うと、待ってましたと言わんばかりにマラが紙を3枚突き出す

「もう済んでる」

俺は紙を受け取って自分のもの以外はスフェーンとフロウに渡す

「魔法適性は1〜10の小数点ありで表示されるからな」

「わかった、俺の適正値は高い順に闇9.8、光9.0、氷8.7、雷8.2、地7.4、火6.0、水5.1風5.1、草5.0だな、高い方なのか?」

「剣士にしては高いね、でもまぁ高くて損はないから大丈夫だよ」

「ならいい」

続けてスフェーンが読み上げる

「私は、風9.7、草8.2、地7.7、雷6.3、水6.0氷5.9光5.2、火5.1、闇4.8だね」

「妥当だな」

「妥当ですね」

「妥当だ」

「なんでみんなそんな反応なの、、」

「なんでって言われてもほとんど予想通りだし」

「うぐぐ」

「じゃあ次は僕ですね、水9.9、氷9.3、雷8.8光8.2、草7.7、地7.0、風6.5、闇6.0、火5.5ですね」

「なかなかいいんじゃないか?」

「そうですね」

「魔法使いとしてなかなかに高いし、固有スキルともあってる、悪くないね」

「これでここは終わりか?」

、、、

「まぁそうだね、次は武器庫にでも行って、自分に合う武具を見つけることをおすすめするよ」

「おう、ありがとな」

数分後

「ここが武器庫だな」

武器庫は山の麓の洞穴にあり、中は薄暗いがいくつもの武具がある

「好きなものを持っていって構わない、自分で選べ」

と言うわけで、選んできた

俺は今来てる鎧の上位互換をもらった、武器は闇魔法の適正値が低くて誰も使っていなかったヒートブレイドの闇属性版、ダークブレイドと、スチールソードという剣を5本もらった、フローは同じく防具の上位互換とアクアリウムスタッフと言う杖をもらった、そしてスフェーンはウイニングジャベリンをもらった、

「いい武器だ、ありがとよ」

「礼を言うほどじゃない、でも借りは返せよ」

その後ポータルまで送ってもらい、その日は解散した

「じゃあな!」

「次会う時はダンジョン攻略でね」


続く



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