最終話:天使も生理になるのか?

ルシアンが晋平の家にお世話になって一週間が過ぎ二週間が過ぎ一ヶ月が

過ぎ、本村家は平和に過ごしていた・・・とも言えない。


良平「父」と恵里奈「母」は、ちょっとしたことで喧嘩して良平は頭を

冷やして来るって家を出て行った。

どうせ近所の居酒屋かパチスロにでも行ったんだろう。


そんなことくらいじゃ恵里奈は寂しがったりもしないし良平を恋しがったり

もしない。

ウザいのがいなくなってせいせいしていた。


晋平はとりあえず学校へ行き勉強もせずにクラスの女子の尻を追いかけていた。

バカ晋平がそんなことしてる間もルシアンは恵里奈さんの家事の手伝いを甲斐甲斐

しくこなしていた。


一度なんか晋平が忘れ物をしたって言うのでルシアンが学校まで忘れ物を

届けたら晋平がクラスの女子を口説いてる場面に出くわして、晋平はめちゃ

ルシアンに怒られた。


この浮気者って具合に、そのことが原因で晋平は当分の間ルシアンにエッチ

させてもらえなかった。


ようやくルシアンの機嫌も和らいで、いざエッチってなったら、そんな時に

限ってルシアンに女の子の日がやってきてエッチできないってね。


「天使だろ?・・・天使が生理になったりするのか?」


「天使をなんだと思ってるの・・・私も女の子だよ」


「そうなんだ・・・生理なんてならなきゃいいのに・・・」

「やりたい時にできないって、そりゃもう欲求不満になっちゃうだろ」


「ごめんなさい」


「あ、いや・・・謝られるとな・・・俺がめちゃ無理言ってるみたいだし」


「無理言ってる・・・でもこればっかは晋平の欲求解消してあげられないもん」


「だよな・・・ごめんな・・・なんかさ俺いつもルーシーに無理言ってるよな」

「本当はさ・・・俺がちゃんとしてルーシーの思うようないい男になったら

ルーシーも苦労しなくて済むのにな」


「だね・・・だけど人の性格ってよっぽど何か強に影響でもされないと

変わってねって言われたって、そんなに簡単には変わらないもん」

「だからって訳じゃないけど晋平はそのままでいいのかも・・・」

「無理に更生させようとしても、かえって逆効果だったりするもんね」

「それに私未熟だし・・・」


「そんなことないよ未熟だなんて、今じゃエッチの仕方だって上手くなってるよ」

「最初は騎◯位だって、ぎこちなかったけど今は腰の動きなんか半端ないし

それに俺の上にいるルーシーめっちゃエロいし・・・」


「エロいってなに?・・・あのねエッチじゃなくて精神的に未熟だって言ってるの」


「完璧な人間なんていないよ・・・みんなどこか未熟だから努力するし頑張ろう

って思うんじゃねえの?」


「わ〜まともなこと言ってる・・・キモ〜」


「なんで俺がまともなこと言ったらキモいんだよ」

「俺だって真剣になる時だってあるよ・・・クラスの女子口説いてるだけじゃない

からな」


「浮気者・・・その悪いクセも直さないといけないね」


「つうかさ・・・俺さ、ひとつ心配なことがあるんだけど・・・」


「なに?心配なことって?」


「もし俺が女にモテるくらいいい男になったらさ・・・ルーシーは役目を終えて

天界に帰って行くんだろ?」


「もし晋平が私の手のかからないナイスなイケメン男子になったら私の使命は

終わっちゃうからね」

「晋平から解放されたら私は天界に帰っちゃうのかな」


「だろ?・・・だからそうなることが心配なんだよ」

「今の俺はルーシーがいない世界なんて考えられないから・・・いなくなっちゃ

ったら、世を儚んで死んじゃうよ」


「なに弱気なこと言ってるの・・・いつもの強気な晋平はどこへ行ったの」


「俺は虚勢はってるだけだよ・・・本当は打たれ弱い男なんだ」


「そんなに私が天界に帰っちゃうことが心配?」


「心配で心配で飯も喉を通らないよ・・・だから俺はきっといつか蛾死するな」


「大袈裟な人」

「分かった・・・もし晋平がナイスなイケメンになっても私、天界には帰らない

から」


「まじでか・・・・それ本当?」

「じゃ〜約束してくれる?」


「約束する」

「まあ、今のままの晋平ならちょっと考えちゃうけど・・・ナイスなイケメンに

なった晋平となら一緒に暮らしてもいいかな〜なんて・・・ね、晋平」

「だから、ちゃんとしたいい男にならないと逆に天界へ帰っちゃうかも」


「お、俺、頑張るから・・・」


「まずは部屋をちゃんと片付けること・・・あと浮気はしないこと」

「じゃないとエッチもさせてあげない」


「分かったよ・・・ちゃんと守るから」

「って言うかルーシーがエッチなんて言うから、生理だってこと、また思い

出しちゃったじゃないかよ」


「あ〜エッチしてえ」


「一週間くらい我慢しなさい・・・一生できないわけじゃないんだから」


「そうか生理があるってことは妊娠するってことだよな」


「うんそうだね・・・多分、今3ヶ月くらいかな?」


「うそ、まじで?・・・妊娠してんのか?」

「俺まだ高校生だぞ・・・ルーシーと子供、ふたり養っていけるわけないだろ?」

「そうか・・・じゃ〜高校やめて働きに出なきゃ」


「あはは・・・真剣に考えてる・・・おもしろ〜い」


「え?なに?・・・あ?」

「もう、まじで?・・・妊娠ってうそかよ、やめろよ」


「ちょっとからかってみただけ」


「いい加減にしろよな・・ったく心臓に悪いわ」

「でも、まあルーシーが天界に帰らないって言ってくれたから、どんなウソ

でも許す」

「そのくらい俺ルーシーが愛しいんだ」


「ルーシー・・・愛してるよ」


「私も・・・」


伝説では天使のルシアンは地上に残って一生愛する人に尽くしたって話だ。

神様の使命じゃなく自らの意思として・・・。


END.





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こんにちはメランコリー。〜不本意な天使のラメント〜 猫野 尻尾 @amanotenshi

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