第6話:ルシアンのパンツ。

天使がいるとかいないとか、なんて言ってた時は絵空事みたいだったけど、

ここに来て一気に現実味を帯びてきた。

で、ネットで注文したパンツは二三日して村本家に届けられた。


晋平は早速、箱を開けてパンツを取り出してみた。

・・・エロい・・・赤いのや黒いの・・・紫に緑。淡いブルーやらピンク

それにレースのふりふり、あとはクロッチの部分がバカっと割れてるやつ。


・・・普通のパンツの方がよかったかな、って晋平は思った。

買ってしまったものはしょうがない。

しょうがないから、とりあえず晋平はパンツをルシアンに見せた。


「なにこれ?」


「パンツ・・・天使だってパンツ履くだろ?」


「え?見たの?私のパンツ・・・いつ?・・いつ見たの?」


「そりゃ初エッチした時に決まってるだろ?」


「ああ・・・あの時・・・」


「人間の女が履いてるんだから天使だって履いてるだろうなって思ったら

やっぱり履いてたから?」


「無理矢理脱がしたくせに、そりゃ忘れてないよね、このすけべ男」

「はっきり言って、あれもセクハラだよ」


「ここはオフィスじゃねえし・・・OLがスケベ上司に言うようなこと言うな」

「終わったあとちゃんと履かせてやっただろ?」

「だけど、ずっとそのパンツ履きっぱなしじゃダメだと思ってさ・・・」

「替えがいるだろうと思って買ってやったんだよ」


「ありがと・・・だけどなに?このパンツ・・・派手なのばっかじゃん」

「うん・・・まあセクシーランジェリーっての買ったからな」

「ナイトランジェリとも言うらしい」


「なにそれ・・・私キャバクラ嬢じゃないんだから・・・こんなの履けないよ」

「ルーシーが履いてくれないと捨て銭になっちゃうだろうが・・・」


「普通のパンツじゃなきゃ、履かない・・・パンツなんかなくてもいいし」


「そうか・・・それだと可愛い尻が丸見えだな」

「俺はいいけどな・・・いい目の保養になるから・・・」


「どスケベ・・・まずは部屋のお片づけとそのどスケベな部分から直さなきゃね」


「たぶんそこだけは直んないと思うぞ・・・俺、自信あるわ」


「ふん、とにかくそんな娼婦が履くみたいなパンツ履かないから」


ってルシアンに全面拒否された晋平・・・しかたなくパンツは「恵里奈えりな」にやった。

恵里奈はパンツを見て文句も言わず、ニコニコ笑いながら受け取ってくれた。


(お〜履くんだ・・・やるな恵里奈、さすが俺の母親)

(あんなの履いたら、良平もやる気になるんじゃないか?)

(役立ててくれたらパンツ冥利につきるってもんだ)


ルシアンには拒否されたけど良平と恵里奈の夫婦生活に貢献できてよかった

かなって晋平は思った。


「さてとしかたない・・・ルーシーには中学生が履いてるような地味なパンツ

買ってやるか」


けど今度はそんな子供が履くようなパンツは嫌だってルシアンに拒否された。


「あのさ、パンツが気にいらないからって天界に帰ったりしない?」


「そんなことくらいで帰ったりしません・・・心配しなくても・・・」


パンツはルシアンにネットで見てもらって、どれがいいか選んでもらった。


でもって晋平はルシアンを連れてスーパーに生活必需品を買いに行った。

歯ブラシやコップ、シャンプーにリンス、バスタオルにタオル・・・その他etc.


地上のことはほぼ知識にないルシアン。

彼女が買い物に行けるようになるまでは、そう言う生活が続いて行くことに

なるみたいだね。


つづく。


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