第4話:抵抗しても無駄。

天使がなんて言ってた時は絵空事みたいだったけど、ここに来て一気に現実味を

帯びてきた。


村本家の家族同様になったルシアン。

その日の、夕食もみんなと一緒に食べた。


「おばさん・・・あ、お母さん、すごく美味しいです・・・こんな美味しい

おごちそう初めて」


「褒めたってt何にも出ないぞルーシー」

「晋平はもっとお母さん敬意を持ちなさいよ・・・こんなにお料理がお上手なん

だから・・・」


「あら、ルーシーちゃんいい子ね・・・もっと早く来て欲しかったわ」

「ボンクラ息子は母親のことなんか褒めたことないからね」


「口に出さねえだけで、感謝してるよ、男は余計なことは言わないもんなの」


「ごちそうさん・・・ルーシー行くぞ」


「え?・・・どこへ?どこへ行くんですか?」


「俺の部屋・・・それともリビングにいるか?」

「どうぜ今夜ルーシーは俺の部屋で寝るんだから・・・」


「晋平・・・あんた青少年保護法に引っかかるようなことするんじゃないわよ」

「ルーシーちゃん何歳?」


「17歳です」


「ほら、まだ未成年じゃない」


「大丈夫だよ・・・なんにもしやしないよ」

「それに17歳なら大丈夫だよ、万が一のことがあっても」


「万が一ってなによ・・・あんたね」


「もういいから・・・ルーシーのことは俺に任されたんだから、意見は聞かない」


「ほら、ルーシー行くぞ」


「お母さん、お食事美味しかったです・・・ごちうそうさまでした」


「ほんとにいい子ねルーシーちゃんは・・・晋平と入れ替わって欲しいわ」


で、晋平はルシアンを自分の部屋に連れて行った。

晋平の部屋はとても綺麗とは言い難かった。


「なんですか、この部屋・・・汚い」


「だいたい男の部屋なんてこんなもんだよ、部屋がめちゃ綺麗なやつなんて

信用できねえんだろ?」


「それにしたって・・・そうね、まずは部屋のお片づけからですね」


「部屋の片付けなんて後でいいの・・・」

「あのさ、俺言ったよね」

「俺の家に来た女の子は全員、ありがたくいただくことにしてんのって」


「えっ、えっ・・・うそだよね冗談じゃなかったの?」


「うそや冗談なんかじゃなくて・・・俺のこと調べて来たんだよね」

「その資料の中に、俺はとんでもなくスケベだって書いてなかった?」


「書いてましたけど・・・でも・・・」


「でももストライキもないの・・・早いうちに肉体関係さえ持ったら、これから

の生活がスムーズに運んでいくだろ?」


「私、そんなつもりで来てないから・・・」

「俺はそのつもりでルーシーを家に招いたの・・・じゃなかったら今頃

ルーシーはビジホに泊まってたと思うよ」


「今からでもビジホに泊まりに行きます」


「だから、これまた言ったけど俺にご奉仕に来た女の子をひとりビジホに

泊まらせるなんてそんなことさせられないって・・・」


「あのさセックスなんて早いとか遅いとかってないからね」


「愛のないセックスはダメですよ」


「そんなことないし・・・俺はとっくにルーシーのこと愛してるもん」

「だから抵抗してないで、おいで!!」


晋平はルシアンの腕を掴むと力づくでベッドに押し倒した。


「やめてください、DVです」


「シ〜ッ・・・おとなしくね、優しくするから」


「ダメです・・・叫びますよ」


「叫んでも無駄・・・誰も来ないから・・・」

「毎回、そうなだけど良平も恵里奈もこの部屋には来ないよ・・・ここ防音装置付きの部屋だし・・・」


「あ、ダメですって・・・やめて・・・お願い許して」


「抵抗すると楽しめないよ」

「ほら・・・静かに・・・落ち着いて、リラックスだよルーシー」


結局、抵抗しても無駄と思ったルシアンは覚悟を決めた。

ルシアンはこんなところでボンクラ男に処女を奪われるなんて思ってもいなかった。


そしてルシアンは不本意ながら晋平と結ばれることになった。


はっきり言って晋平のしでかしたことは、これって間違いなく強姦でしょ?

もしルシアンが晋平に人権侵害されたって訴えたとしても戸籍も市民権もない

天使が相手って・・・それで晋平が罪に問われるかどうかは分からない・・・。


そうそう晋平はルシアンにこの部屋は防音装置付きだって言ったけど、そんな

訳ないし・・・ルシアンに叫ばれたらやっかいだからそう言っただけ。


つづく。


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