第3話 夏も先行き不安なら涼しく感じる
「僕も元老院の敵だから君を匿って、なんならアイツらを倒すの手伝ってもいいんだけど。
なら、まず
本部にいきなり殴り込むのは骨が折れるし。
…ってことは出星ゲートで身バレするかもしれないのか…って聞いてる?」
「ききき、聞いてる聞いてるんだよ聞いてるであります!!!!」
…あんまり役立たず役立たず言われて癪だったので接近戦でのちょっとした"湯沸かし"の使い方を教えたら怖がらせ過ぎちゃったらしい。
少し反省。
「気を取り直して、だからまずはなんとか密出星する為の方法を探さねばなりません。
当分はここで暮らします。
なので貴女にはそのめちゃくちゃ目立つ容貌を隠して貰わねばなりません。
…スク水以外の服ないの?」
「これ服じゃなくて、がぶの外部装甲なんだよ?おようふくー買って欲しい!!」
服じゃ無くてゴーレムの外部装甲かいっ!!
どんな変態ロリコンが彼女を創ったのか…
どう彼女の目と髪の色を誤魔化すか頭を悩ませていると、
「あ、私でも"
どんな見た目になればいい?
ながるみたいに髪白くすればいい?」
「黒髪ショートの赤い眼、体型はそのままでいい。」
「く、食い気味でびっくりした…わかった、『変われ』!」
彼女の見た目が変わった。
黒髪ショートの赤い眼のスク水ロリがいる。素晴らしすぎる。
僕が見惚れていると彼女はきょろきょろ辺りを見回して、本棚に眼を向けた。
「ん?古典文学だっけそれ。なになに、」
僕の愛読書を見ようとする彼女を急ぎ押しとどめる。
「僕が悪かった、待ってくれそれは良くない話せば解る落ち着くんだ。」
「ながるが落ち着くんだよ!
さっきからひと昔前のオタクーみたいな挙動でちょっと気持ち悪いよ!!」
ごはっ…崩れ落ちた僕を横目に彼女がタイトルを読み上げる。
「このすぱらしい世界に怨念を!、クロックワーク・インターネット、銭湯員派遣します!…の2巻と2巻と4巻だけ置いてあるけどどうして?あ、こっちは」
待て、それは
「とある魔術の一方通行?の22巻だ。どんな本か気になる、よいしょっと。」
あっ、
「なんだかながるに似た髪型の人が表紙なんだよ。
流はこの古典達が好きなの?
だから、その髪色…(笑いをこらえている感じ)」
……そうです。
とあセロのアクセロリンに憧れて髪白くしてます。
眼は普通に自前の青です。
あ、この世界の神人達は能力の大方の属性が瞳の色になって現れる。
だから水操作の僕は水色だ。
「こっちのも見てみよう…パラパラ……ほーん。
流は、黒髪赤眼が好きなロリコンさんで白髪のアクセロリンって人に憧れてるんだね。
君、アキバーグリッドに良く居るタイプの人?」
……変態ロリコンオタですみません。
否定はしません許してください。
「さて、通報なんだよ。『ケータイデンワー……」
「待ってくれ!!話をしよう!!」
そこで口を閉じて彼女はなんだかトッテモ不穏な表情でこちらを見つめる。
「通報されたくなきゃさっさと私の為に働くんだよ、ロリコン湯沸かし。」
「なんなりと仰せくださいませぇぇぇ!!(泣)」
形勢が変わってしまった。
彼女には世界を変えることのできる大きな力があるのかもしれない。
惑星割れるらしいけど。
騒いでいたらいつの間にか夕方になっていた。
疲れた早く寝て明日に備えよう…
季語:宵涼し
(夏なのになぜか背筋が涼しいですね、この先何が起こるかわからずワタクシとっても不安です……………)
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