いったい何を捨てたやら
昔に比べてものが減ったとは思う。格段に。収納グッズをずいぶん手放したし、ものの収まり方も昔とは違う。
ただ、こうなるまでに手放してきたものたちを、具体的に挙げることが難しい。もちろん、悩んで悩んでやっと手放せた、という感慨深く記憶に残っているものも、もちろん多々ある。その一方で、そのときには悩んで悩んで決断したはずなのに、記憶がないものも多い。
たとえば本棚の本が減り、収納ケースの本も減らしたけれど、そのすべてを覚えてはいない。ここにいったい何が収まっていただろうか、という具合だ。
そのことを思うと、手放すとはなんちゃないものだな、と思う。きっと今手放せずに悩んでいるものも、手放したところで、きっとどうということもないのだろう、と。
捨てるか迷うものはいらないもの、という言葉をよく聞くが、まあ実際そうなのだろうと思う。しかしでは捨てられるかと言われると、うまくいくものでもない。時にはその捨てたものを、捨てなきゃよかったと思うことさえある。
手放すことが苦手な私のようなタイプの人間は、捨てなきゃよかった、が心に残るものだ。たとえ捨てたことで、取り返しのつかないような後悔をしたわけでなくても。その気持ちが、ますます捨てることを苦手にしていく可能性すらある。
だから、捨てることが苦手な人ほど、時間がかかっても、かかった時間をもったいないと落ちこまず、ひとつひとつものと向き合ってものを減らしていくべきだと、個人的には思っている。本当に時間かかるけれども。
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