手入れが面倒な服は淘汰される

 今ある服を半分に、いや半分といかなくとも、せめて三分の二にしたいと思っている。私の体は一つ、今ある量がふさわしいとは思えない。それでも最近は、なかなか服が減らない。それどころかぼちぼち服を買い足してしまっている。


 とはいえ、かつては今の倍くらいの服があったのではないだろうか。たんすに詰めこんだ服のほか、クローゼットもぎゅうぎゅうだったし、衣装ケースも二つくらいあった気がする。


 衣装ケースを使用していた頃は、そこには大量の冬物が入っていたような気がする。大量のニットたちは一冬に出番がないものもあり、また、シーズンを終えた後のクリーニング代も、着た数が多いほどかさんでいく。

 着ていないもの、似合わないもの、と徐々にリサイクルショップに持ち込んだり、あるいは虫食いなどを見つけて手放したものもある。

 冬物というのは特に管理が面倒だと思う。かさばるし、手入れが難しいものもある。自宅で洗濯するには難易度が高いものはクリーニングに出さなければならず、その数が多ければ多いほどお金もかかる。着たらクリーニングかと思うと手が伸びなくなり、着るのは数着。一冬出番の来ない服たちは増えていく。そうした服を手放した結果、徐々に数が減っていった。


 この頃からアンゴラなどの表示(クリーニング代が瀑上がりする)や、毛の割合(毛が多いと暖かいが虫食いリスクが上がる)をきちんと確認するようになった。もはや暖かさより、管理のしやすさがずぼらな私には重要だ。

 いくらデザインが気に入っても、値段が安くても、手入れをするだけの労力やお金をかけるだけの価値があるのか。それを考えるようになって、むやみに買うことも、買って失敗することが減ったと思う。

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