第2話

『なお、現在――ザッ。ザザッ。影響で、電波障害が起きております』


 ぼくはリモコンでテレビを消した。ほんの少し、ツキコちゃんと婚約してみれば、たいようフレアたんが大暴れするなんて。まったくどうかしているよ。


「ちきゅうくん? わたくし、ツキコよ? そっちはどう?」


 かろうじてつながる電波の隙間を縫って、ツキコちゃんから連絡が届いた。


「うん。電波障害があるものの、今のところなんとか――!? うわっ。すごい熱風だ。これも、フレアたんの力?」

「そうよ。あの子、ごねると三日はやさぐれるから、覚悟しておくことね」


 いや、覚悟だなんて言われても……。


「それから、こんなことになるのなら、あなたとは婚約破棄します。短い間だったけど、さようなら」

「そんなっ。ツキコちゃ〜ん!!」


 通信が切れた。


 元々ツキコちゃんは望月うさぎくんの恋人だったんだ。それなのに、うさぎくんがクレーターちゃんと浮気をしたせいでやさぐれていたところ、たまたまぼくに気づいてくれて。


 やっぱり、ちきゅうとつきでは月とスッポンなのだろうか?


 ああ。こんなことなら最初から、フレアたんと婚約しておけばよかった。


 にんげんたちも、電波障害で怒っているんだろうなぁ。


 くそう、なんだってこんなことに!?


 つづいてやるさ

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