お題【冷たい双子】、【ステッキ】、【隣の家】
隣の家に双子の男の子がいる。冷たい双子。ううん、冷たいよりもっと酷い。ぐずで不器用なわたしはいつだって、揶揄われて笑われるのだ。
真夜中にそっと家を抜け出して、パパのステッキを隣の家に向けて置く。これは敵対者を大人しくさせるおまじない。
「何やってるの?」
「こんな時間にさ」
ひょい、と生垣の上に並んだ同じ顔。わたしは何も言えないまま。
「何かあるなら話してよ」
「僕たちがなんとかするからさ」
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