お題【この世で最後の盃】、【光る船】、【腐る】

飾られた光る船は、潮の流れに乗ってどんどんと沖に向かう。船に乗ったわたしは一人。

強い酒を盃に注いで口に含む。この世で最後の盃。生きて最後に口にするもの。飲み込めば濃い酒精が喉を焼き、腹の内側がぼうっと熱くなる。

わたしは無事に神様に見つけてもらえるだろうか。それとも船ごと沈んで、海底で腐るのだろうか。

酩酊に体を起こしていられず、船底に横たわる。波の音。目を閉じる。

あと、どのくらい……。

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