お題【他人の霊】、【夏の】、【恒星系】

夏の屋上で出会ったのは、全然知らない他人の霊だった。

「どうも」

「はあ、どうも」

間の抜けた挨拶をして、当たり前のように並んで星を見上げた。

「あの恒星系は若い星なんですよ」

霊は星が好きらしい。透き通る指で空を差してはあれこれ解説してくれる。その声が案外心地良い。

「久し振りにこんなに話せて嬉しいです」

「こちらも楽しく過ごせています」

その霊は嬉しそうに笑って、そしてすうっと消えていった。

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