お題【死せる神の花婿】、【星屑の奇岩地帯】、【話す】
月の女神が死んだ。星たちは悲しみ、その美しい姿をとどめ星屑の奇岩地帯にそっと横たえた。周囲には星たちが流した涙がきらきらと輝いている。まさに星屑のように。
美しい月の女神に憧れていた雲の青年神は、ひとり奇岩地帯に行った。死せる神の花婿として。
女神の手をとり、「愛している」「ずっと、愛している」と話す。女神は何も応えない。それでも青年神は幸せだった。
そうして月は、雲に隠されたのだった。
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