【200字小説短編集】小さく灯る

お題【漆黒の秋】、【危機に瀕した】、【火山】

火山が噴火して、周囲の精霊たちが逃げ出した。噴火からとうに時間が経っているというのに、精霊たちはどこかに行ったまま。今は漆黒の秋になってしまった。

いつもなら収穫祭で盛り上がるのに、危機に瀕した村々ではそれどころじゃない。皆、精霊が戻ってくるように祈るばかりだ。

世界をまわって逃げ出した精霊たちを見つけられたら、村はまた元通りになるだろうか。

無茶だと思いつつ、僕は旅支度を始めた。