お題【硝子の月】、【無償の】、【雲海】

雲海が広がる景色に息を呑んでぐるりと周囲を見回した。どこまでも続く雲は月明かりを受けて静かに波打っている。

「これも無償の?」

「ええ、サービスですよ」

隣に立つ男の人は胡散臭い笑みを浮かべてわたしを見ている。怪しいし普通じゃないけど、こんな素敵な景色が見れるならまあ良いかと思ってしまった。

ああ、硝子の月がゆっくりと、遠い太陽の光をきらきらと撒き散らす。その光のかけらのような星が降ってくる。

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