お題【夢の夫】、【曲がりなりにも】、【ほつれる】

結婚しないのかと聞かれ「してるの」と答えると、彼は不思議そうな顔をした。微笑んで「夢で」と付け加える。彼の眉が潜められる。その表情に目を伏せた。夢だと自分でもわかっている。それでも毎日のように現れて穏やかに愛を交わすあの人はやはり、曲がりなりにも夫であると、強く思っている。彼は私を強く抱き締めた。その力強さに、確かだと思っていた夫、その姿が曖昧にほつれてゆく。

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