第15話  空き地の決闘!

 車から降りて一歩踏み出したら爆発した。

 僕は吹き飛ばされた。

 死ぬかと思ったが無傷だった。


 何か飛んでくる。警棒で受け止めた。十字手裏剣だった。


 “?”


 わけがわからない。

 懐中電灯をつけた。池がある。池を背にして闘おう。

 池のそばに移動した。池を背にする。


 すると池の中から何かが飛び上がった。

 3人の男だった。水の中に隠れていたらしい。


 水遁の術?


 男達が日本刀を振り降ろしてきた。

 2人の一撃は避けて最後の1人の一撃は警棒で防いだ。


 何人いるんだ?


 僕は死を覚悟した。


 間合いをとろうと後ろに跳んだらまた地面が爆発した。

 死ぬかと思った。

 だが、まだ無傷だった。


 林から人影が現れた。3人。


 6人対1人。絶対に負ける。


「無様だな」


 林の中から現れた3人の内の1人が言った。


「6対1で無様も何もあったもんじゃない」

「神崎の人間がこの程度とは」

「お前達は何物だ?」

「伊賀者の末裔だ」

「伊賀?」

「ようするに忍者だ」

「この時代に?」

「時代が変わり、表の顔は一般人でも腕は鈍らせない」

「確かに神崎は忍者の家系だが」

「お前の祖父は強かったぞ」

「父は?」

「お前の父とは手合わせをしたことがない」

「それなのに何故僕とは闘うんだ?」

「歌手に現を抜かしていると聞いたのでな」

「ボディーガードは僕の仕事だ」

「いや、お前は神崎の人間とは思えない」

「不愉快な言い方だな」

「では、強くなれ」

「護身術や格闘技なら身につけている」

「忍術の精進をしろ」

「忍術?」

「巻物くらい残っているだろう?」

「……? 確かに家にあったな」

「読んでいないのか?」

「興味が無かったんだよ」

「読め!」

「読むよ」

「お前が強くなったら、その時にもう一度手合わせをしよう」

「しねーよ」

「いや、またいつかな」

「わかった、強くなってやるよ」

「では、さらばだ」


 水から上がってきた男達も、林から現れた男達も消えた。

 僕は車に戻ろうとした。


 歩いていたら、また足元が爆発した。

 僕はまた吹き飛ばされた。

 死ぬかと思った。

 だが、僕はまた無傷だった。


 身体は無傷だが、僕のスーツはボロボロになった。

 家に帰って、奥の方にしまっていた巻物5巻セットを出した。

 確かに忍術の指南書らしかった。

 僕は巻物を読みふけった。

 朝まで一睡もしなかった。

 今日は休日だ。

 僕は着替えて車に乗った。

 1時間半ほど走って、1番近くの滝へと移動した。

 まずは精神修行。

 僕は白衣に着替えて滝にうたれた。

 寒いし息苦しい。すぐに嫌になった。

 それでも昨夜の悔しさをバネに頑張った。



 僕は風邪をひいた。







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