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 道行みちゆく人に絵を見せて相手の絵を見せてもらう、そんな日々を繰り返す。

 鮮やかな花畑。若葉がえる山。音のない深海。出会う者は皆様々さまざまな景色を持っていた。

 中には彼と同じく青空の絵を持つ者もいた。けれど、その青の深さは千差万別せんさばんべつで、彼の描いた青空と同じ絵を持つ相手は見つからない。

 旅の途上とじょうで出会うのは善良な者たちばかりではなかった。彼の絵をあざける者もいれば馬鹿なことをしているとわらう者もいた。

 少年は次第しだい疲弊ひへいしていった。どれだけ探し歩いても報われない徒労感とろうかんに心はすり減り、向けられた悪意ある言葉が彼の胸に傷を残した。

 しかしそれ以上に彼が苦しんだのは旅立った日の情熱を失いそうな自分に気付いたからだった。

 「こんな日々を続けたところで究極の理解者と出会える日なんて来ないのではないか」

 その思いが彼から一層いっそう気力を奪っていった。

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